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日常編?
捜索、放棄
「テメェら顔が笑ってねぇ! いや、口は笑ってるけど目が笑ってねぇ! 殺す気か?!」
「さぁ、止めに行きましょうか!」

嬉々としたヴェルデに促され、行くぞとフランに腕を引かれる。お先にー、とリボーンが先を駆けていく。
「待ちやがれ、スカ…―――?!」

すると突然、ガックリと身体の力が抜け、不様にもそのまま出入口前ですっ転んだ。直ぐにずっしりと背中が重くなる。
風が瞬時に寝技でもかけたのか。

「だから、やましい事は―――」
「大丈夫ですか、リボーン?!」



 は?



後ろで、風口調のヴェルデが声を張り上げた。
つい先程まで両サイドをガッチリ固めていたはずの奴が後ろにいるはす…。

「くぅ?」
「綱吉っ…―――」



お、落ち着け。

オレ。



覗き込んできた綱吉に視界を覆われながらも立ち上がる。
綱吉を背負っていたのは身体を乗っ取ったスカルのはずだ。
戸惑っていると背中に乗っていた綱吉が降りる。転けた拍子に擦りむいたらしい腕をペロリと舐めた。

「あ、えっと…」
「綱吉背負って転んでんじゃねぇよ、スカル! コラ!」

振り返って、確認する。後ろに…―――ヴェルデとフランと額を撫でている『スカル』が居る。

「いっ、てててて…」
「どうせノロケてたんだろーが、コラ!」
「ノロケてんのはリボーンだろー?!」

すると、漸く友人達も目を瞬かせてこちらとスカルを交互に見やった。

しばしの沈黙。
しばしの間。

フランは指をさして転けたスカルを見下ろした。

「もしかして…元に戻った、のか…? コラ……?」
「あっ! リボー…―――って、ツナ?!」

こちらを唖然として見つめている仲間達。
肩を掴まれて顔を向ける。

って、顔近い。


そのまま、ペロリと頬を舐められた。 


「あ………」


ざわ――――。


全身を寒気が包む。
冷や汗が吹き出る。

あ、あれ?
こう思ったの2回目じゃなかったっけ?



『液体窒素ぶっかけられたらこんな感じだろうか』。



カタカタと後方の3人へと振り返る。
顔面を真っ黒に染めて、目が怒りで光っている。



あ、
不味いコレ…。



構わず舐めてくる綱吉の口を押さえ付けて、肩に担ぎ上げた。

「取り敢えず、逃げるか」
「くぅ?」

意味がわかっていない綱吉(ハリネズミ)には悪いが。

今、あの時の悲劇が繰り返されようとしています。



「オレのせいじゃねぇえええ!」



怒声を背に浴びながらリボーンは元に戻ったのを良いことに全力で走り出す。
何故か背中の綱吉はきゃっきゃと楽しそうだ。

空気読め、ハリネズミおい!

睨むように肩のに担いでいる綱吉を見下ろす。

「ちっくしょ! 後で覚えてろ、綱吉…」
「ひっぱ、りぃ!」


ハリネズミが悪い訳じゃねぇんだよなぁ、可愛い顔しやがって。


「ちっくしょぉおおお!」

もう一度雄叫びを上げて、全速力で駆ける。体力の無い連中はみるみるウチに離れていく。

仲間ではあるのだが、彼らが元の身体に戻らないことを祈るしかなかった。

出来れば、永遠に。

しかし、そんな願いも直ぐに壊される事になる。

「え…」
「どわっ!」

ばたん、とヴェルデとフランもスッ転ぶ。驚いている間にむくりとほぼ同時に起き上がる。

「…何が起きた? 私の研究室で転ぶようなものはないはずだが…」

フランはキョロキョロと辺りを見回す。

「あれ…部屋に戻ってる途中だったのに……ってゲイ集団……………っ」

フランは即座に携帯電話を取り出して操作する。耳にあててコロネロと連絡を繋げる。


早速、戻った?!


風は何処にいるか分からないが、コロネロは多分、山本の時雨金時を持って行く途中だったからすぐに来れる。

「白蘭の野郎! 早速もとに戻しやがってぇ!」

輝く笑顔をみせる白蘭を脳裏に思い浮かべて怒りが込み上げる。
怒りの炎をたぎらせながら綱吉を抱えてこの場からの逃走をはかる。


「覚えてろ、白蘭!」


先程、さっさと戻せと言った人間の言う台詞ではないことに、生命の危機を感じているこの男が気づくことはなかった。

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あきゅろす。
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