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授業はしっかり聞きましょう/赤也

「―――…」

授業中にもかかわらず、ぐっすり寝ている隣の席の馬鹿の名前は

切原赤也

テニスはとても強いのだが、勉強は全くできない
そんな馬鹿に私は惚れてたりする

馬鹿を好きになる私も馬鹿なのでは…と最近考えてしまうが、まぁ気にしない

……あ、寝癖ついてる

ノートをとりながらもチラチラ彼の顔を見てしまう私はかなりヤバい人だ



「かっこいい、なぁ…」
「え?」


ポツリと呟いてしまった言葉を聞いてしまった人がいる
…赤也だ
本人に聞かれるなんてありえない
寝てたのかと思ってたのに


「名前…お前、」
「な、なんでもない!気にしないでよ」
「つっても聞こえたんだけど。何、俺のこと好きなの?」

うん、好きです(はぁと)
なんて言えるわけないでしょ!?
考えてものを言ってよー…


「好きなわけないでしょ。誰があんたなんかを…っ」
「ふーん」


微妙なまなざしが嫌なんだけど
疑わないで!てか恥ずかしいんだってば!


「ま、俺は好きなんだけどね」
「……………………え!?」

好きって、好き?
赤也が私を………………?


「ちょ、何だその間は!人が告ってんのに」
「え、だって嘘…?まじ?」
「大まじ」
「あ…わ、私も好き、だよ…」

言ったよ!私はついに言った!!

「うん、知ってた。いつも俺んとこ見てるから」

気づいてたのか…恥ずかしい

でも悪戯っぽく笑う彼を見たらどうでもよくなった




「えー、二人とも廊下に立ってろ」

授業中…!
皆に聞かれてしまった私たちのやり取りは、あっという間に全校に広まってしまった



授業はしっかり聞きましょう

(もうあの先生の授業出たくないー!!)
(アイツ英語だから俺も出たくねぇ)




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あきゅろす。
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