しゃっくりの止めかた/浦原
「っく…。ひっく……!」
「名前サン、どうしたんスか?」
これから彼、浦原喜助と出かける予定だったのに…
しゃっくりが止まらない
「しゃっ…ひっく…っくりが……、」
しゃっくりが止まらない、そう伝えたいのに
思うように話せない
「困ったっスね…。キツくないですか?」
キツい、と言いたかったがしゃっくりが止まらないので
かわりに首を縦に振った
「うーん。茄子の色は?」
「む…紫?…………ひっく」
「豆腐は何から出来てますか?」
「大豆!…っく…ひっく…」
「なかなか止まらないっスねぇ」
「うっ…ん」
もう私、最悪
なんでこんな日に……
「それじゃあ、これはどうっスか?」
「ふぁ?」
私はいきなり喜助さんに引っ張られて
キスされた
それも、長く、長く………
─────長すぎないか?
だんだん息が出来なくなって
苦しくなる
「ふ…ん、ん────!!」
ドンドン、と喜助さんの肩を叩くが
喜助さんは私の口から離さない
「っ、はぁ………」
やっと離してくれた
きっと私の顔は息が出来なかったことと
恥ずかしさで真っ赤だろう
「何するんですか!死んじゃうかと思った…」
「息を止めれば治るって聞きますからねー」
「だからって…」
「でも嫌じゃなかったデショ?」
「…」
そう言う喜助さんの顔は
なんだか私の答えを分かっているかのように笑っていた
『しゃっくりの止めかた』
(喜助さんはズルい…)
(何のことっスかー)
***
ちなみに茄子の色は高確率でききます
ただし二回目からはなかなかきかないw
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