Buon natale!/ディーノ
クリスマス
それは、恋人たちの祭典
それは、友達とのふれあい
それは、家族との団欒
私にとって今日は…
愛しい人と過ごす大切な日だった
………なのに
今日になっていきなりドタキャン
あたりはクリスマス一色に染められているっていうのに
私は一人悲しく街を歩いている
そりゃあディーノはマフィアのボスで
日本にだってなかなか来れないのは承知してた
…でもよりによって何で今日なのよ
初めてディーノと過ごすクリスマスだったのにな
「…でっかいクリスマスツリー」
ふと上を見ると、クリスマスならではの街の中心にツリーがあった
「ディーノと一緒に見たかったな」
ポツリとそう言った時、肩をトントンと叩かれた
「え?」
後ろを振り向くと、プレゼントが入っているのか
大きな袋を持ったサンタクロースがいた
きっとどこかのお店の宣伝だろう、と思ったのだが
ニコニコしているだけで何も話してこない
「何か用ですか?」
「───Buon natale a felice anno nuovo!」
「……は?」
聞き覚えのない言葉
でも
聞き覚えのある声
「ディー…ノ……?」
「Merry Christmas!名前」
帽子や白い髭をとって私の前に現れたのは紛れもなくディーノだ
「何でいるの?来れないハズじゃ…」
「んま、名前のために頑張ってきた
愛のチカラってやつ?」
よく恥ずかしい台詞を言えるな、と思ったが
今の私には胸がいっぱいいっぱいだった
「もう、ありえない…。何もかもが急すぎるでしょ
────でも嬉しい、ディーノに会えて」
プレゼントはない
そのかわりにとびっきりの笑顔を見せた
「っ…。あーまじ可愛い
プレゼントはまた今度で…いい?急いでたら忘れちまった」
「うん!」
本当はモノなんかいらない
だって会えたことが私にとって最高のプレゼントだったから
『Buon natale!』
(さっきの、何て意味?)
(あぁ、イタリア語でMerry Christmas!)
***
ディーノさん未来編のが好きっす
イタリア語調べんのが大変だったw
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