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幼なじみの笑顔

皆呆然と立ったままだ

このことを知っているのはキヨしかいないんだから

そんな静まりかえった中で警察が来て麗華は連行されるが、僕たちは目もくれない


「潤、何突っ立ってるんじゃ?」

「そうっスよ!先輩勝ちましたじゃん!」

僕の周りにはいつの間にか立海の皆がいた

「なっ…んでぇ?僕…」

「それ以上言わなくてもいい。お前はいろいろと我慢しすぎだ」

「柳ぃ…」

「僕のこと嫌いにならない?
こんな僕でも……まだ仲間で入られるの…?」

「当たり前!!」

皆の声が一つになった

涙は止めどなく流れてきて皆に泣きついた


ありがとう

こんな僕を必要としてくれて

ありがとう


僕を嫌いにならないでくれて

ありがとう



「…てめぇら、今回の合宿は中止だ!
荷物まとめておけ!!夕方にはバスが来るからな」

泣き止んだ僕はその後、青学を始めとした僕を苛めた人たちから謝られた

何度も何度も…

どこも強いところだからうちも気をつけなくては!…なんてな

荷物をまとめてる最中には不動峰とか四天宝寺とかから挨拶をされた

また会おう!って…

何人からかはすごい精一杯言われたけど…そこまで言わなくても会えるとは思う


これで本当に合宿は終わり

明日からはいつもの日常が戻ってくる

ユッキーは少しの間また入院らしい

心配はいらないみたいだけど

そして僕も新たな一歩を辿ろうじゃないか



「潤」

「キヨ…」

「いつも守ってやれなくてごめんな」

この合宿中、キヨはほとんどちゃんと笑ってなかった

最初から…今までずっと

「何いってんの。キヨがいたから僕はお母さんから苛められても
…何されても、テニスが出来なくなっても立ち直ることができたんだよ?」


「潤…」

「キヨは最高の幼なじみだよ!!」

ニカッと笑うが、キヨの顔は相変わらず


「でも…キヨにはずっと笑ってて欲しいそんな顔にしてるのは僕のせいだけど……僕はもう大丈夫だから」


"だから笑って?"


「……そうだな!今日からまたラッキー千石頑張りまーす!」

その時見せたキヨの笑顔はとても輝いていて眩しかった


「おーい潤ー」

「仁王?」

「行ってきなよ、仁王君のとこ」

「うん、また話そうな!」

僕は聞こえなかったんだ

キヨの"好きだよ"って言葉が

「潤…幸せに」









(ホントに馬鹿じゃねぇーの)
(阿久津…)
(お前なら奪えたんじゃね?)
(そんなこと出来るわけないじゃん。好きな子の幸せ願わないと、ね)
(あっそ)
(でもちょっちキツいかも………)

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あきゅろす。
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