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悲しい×楽しい=…?

僕たちが調理場に行くと、もう杏や壇君がすでにいた


「二人共ごめん」

「何言ってるのよ。ほら、時間もないしさっさと作ろ!」

「壇くん…」

「どうしたんですか?皆さん腹ペコですよ。
早く作りましょう!」



「うんっ」

壇くん、良かった

それにしても麗華の姿はない

きっとまだ医務室にいるのだろう

というかここに来るきはないな



「…すごいです」

壇君がそう言うのも無理はない

だって仁王ってばめちゃくちゃ料理上手いから


仁王が手伝ってくれたおかげと杏と壇君が先に作っていてくれたから

案外早く作り終えることができた





「皆、出来たわよ!」

お腹を空かした部員たちも杏のその一言で一気に元気になる


「おいしそうですね」

「仁王はそこにいたんだな」

「プリ」


さぁ美味しくいただこう!と、その時だった


「な、俺らもあいつが作ったもん食わなきゃいけねぇの?」

最初に言ったのは誰だったか

確かなのはその言葉で敵が文句を言うようになったことだ



「ごめんねぇ…?麗華が作らなくて…」
「っ、麗華先輩はしょうがなかったじゃないっスか!」

「そうそう!誰かさんのせいでさー」



「なら食べなくてもいい」

ついそんなことを呟いてしまった

さすがにみんなびっくりしている

だって皆で一生懸命作ったのに…

そんなこと言われたくない



僕がそう言うと文句を言った人たちは無言で食べはじめた




「あ、そうじゃ。真田、お前には俺が特別に作ったのをやろう」

そういえば仁王は途中で何か作ってたな

「む、そうか。ではありがたくいただこう」

ブン太が笑いをこらえてる

ということは二人で何か企んでるか仁王が教えたんだな




「っ───────!!?」

真田がカレーを口にふくんだ瞬間のことだった

何ともいえないビミョーな顔で…面白かった


「っ、何だこの味……!?」

「秘密だっちゃ」

「ぷ…」



「あはははは!!」

久しぶりの大声での笑い声

「ちょ…弦一郎、顔───…」



これは幸せな夢物語

そう思ってしまった

さっきまでのことが嘘みたいだったから





×=

(楽しい!)
(だってみんなといると嫌な気持ちもなくなるから)

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あきゅろす。
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