秘密のおはなし
僕は青学のあとに山吹がいる方へと向かった
というかちょうどキヨに声をかけられたんだ
「…潤。どうしたんだい?」
それは青学のあの言葉を聞いた後だったから…
僕は少しその場に硬直していたところだった
「!……キヨ。ううん、ボーっとしてただけだから」
「ならいいけど…
あ、うちの部員向こうにいるから挨拶がてら行かないかい?」
「うん。僕も行こうと思ってたとこ」
少し千石は潤の行動を不思議に思ったが
この時は何も聞こうとしなかった
「ん、千石。誰だソイツ…」
「はじめまして。立海大のマネージャーの佐倉 潤です」
南、と名乗る相手はどうやら部長らしい
「よろしくな」
「ダダダダーン!阿久津先輩、潤先輩ですよ」
この元気な声は壇くんだ、とすぐに分かった
「壇くんに仁か!合宿の間よろしくな」
「はい、よろしくです」
「……」
潤の言葉に阿久津は何も返答をしない
「全く仁は…。そういえばよく仁きたね?」
「それはな、伴じぃがいろいろと…」
「千石、うるせぇ」
千石と阿久津の間には微妙な空気が流れる
仁が来た理由聞きたいなぁ、なんて思ったり
「…………言わねぇぞ、絶対」
「何でさ!!言ったっていいだろ?教えろよ-」
「うるせぇ!さっさと他のところでも行きやがれ」
「………仁のバカ」
ちょっとムカッときた僕は山吹をあとにする
全く、なんなんだよ
「潤に言わなくて良かったのかい?」
「あぁ?」
「伴じぃにいろいろと弱み握られてるってのもあるけど────…
潤が心配だったんでしょ?」
「っ…」
千石と阿久津がこんな会話してるなんて
潤には知るよしもなかった
秘密のおはなし
(お前も素直になったほうがいいんじゃねーの)
(俺はいいの。今のままで)
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