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とある日の昔話(6ろ)
※一年生設定


「ちょーじ、ちょーじ」
「・・・・・」
「ちょ〜じ〜!」
「自分で食べなければ、駄目だ」
「うう〜・・・」

私は目の前の小鉢をじいっと睨んだ。そこには煮豆がある。私は、これが嫌いだった。

「忍に好き嫌いがあってはいけない、」
「ううう〜っ」
「頑張れ、小平太」
「が、んば、る・・・」

私は渋々箸を持って豆を掴む。どうやら長次は先に食べ終えたようで私を見守ってくれていた。

「・・・・・・」
「・・・(こくり、)」

最後にもう一度だけ彼を見れば、長次は私としっかりと目を合わせ、力強くうなずいてくれる。私は腹をくくった。

「ええい!煮豆が何だ!いけいけどんどーん!」

私は勢いよく煮豆を口に頬張り、一気に咀嚼してゆく。途中、噎せ返りそうになったけれど長次がお茶を差し出してくれたお陰で何とかなった。

「っぷは!はあっ、はあっ・・・!ち、ちゃんと食べたぞ長次!」
「ああ・・・」
「これで私は先輩になれるか!?」
「、なれる」
「そうか!」

私は力強く頷いてくれた長次に笑みを返す。彼はいつもこうして私を励ましてくれるし、側にいてくれるのだ。今もこうして私の苦手克服訓練を手助けしてくれていた。

『春には新一年生が入ってくる。先輩が好き嫌いを持っていては示しがつかない』

長次はそう言って毎回煮豆が出る日は私に厳しく指導をくれた。今では私も、時間はかかるものの煮豆を残すことはない。(多少、抵抗はするけれど、)

「ありがとうな、長次!」
「俺は何もしていない」
「いいや!お前が居てくれるから私は頑張れるのだ!長治のお陰だ!」
「・・・そうか、」

長治は一度首を降ったけれど私の言葉に穏やかに微笑んでくれた。そうして、ソッと私の頭に掌を乗せる。

「長治・・・?」
「良くやったな、小平太」
「 ! 、私、偉いか!?」
「ああ、偉い。」
「えへへへ!」

優しく撫ぜてくれる掌に、嬉しくなった私はぐりぐりと頭を擦り寄せた。私は、この手が大好きだった。

「私、"小平太せんぱい"って言われるのが楽しみだぞ!」



とある日の昔話(一体どんな奴等が入学してくるのだろう!)(きっと、賑やかになるだろうな。)
6ろが1年生なお話でした!煮豆が嫌いな小平太と側で見守り応援する長治^^仲良しな二人が好きだだだ!

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