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リリカルなのはの小説
平穏C


†sideアリサ†



転校生が来たぐらいでは何も変わらず、いつも通りの授業が終わった。

そしていつも通り掃除があっていつも通りのHRも終わった。



少しは変わってもいいと思ったけど...仕方ないかな。



そう考えながら帰る準備をしていると、女の子が転校生の確か――中峰だったかな?――と会話しているのが見えた。


その子は下校に誘っているみたいだが、せっかくの好意をあろうことか中峰は拒否したのだ。



余りの素っ気なさに私はカチンときた。


女の子が誘っているのに断るのはモラルがなってないわ!




「ちょっとあんた」


気付いたら私はあいつに声を掛けていた。



「なんだ」


中峰はめんどくさそうにこっちに向く。その態度が気に入らなかった私は、流れに乗って喋りだした。


「せっかく誘ってくれたのになんで断るわけ!?」

「……あの子にも言ったけど雅義と帰るし寄る所もある」

「ならもっと丁寧に断りなさいよ! あの子が傷付くでしょう!?」

「待て、断った程度で傷つく方がおかしいだろ。必ず誘いに乗るなんて誰も考えやしないさ」


正論である。だがアリサは納得いかなかった。



「普通は“いいよ”って言うものなのよ!」




「じゃあお前、俺が誘ったら“いいよ”って言うのか? 言わないだろ」

「そ、それは………そう、だけどさ……」


言葉につまり、なんて言い返そうか迷っているとあいつは話は済んだと思ったらしく斎藤君を誘って帰ってしまった。


私は1人取り残された感じになった。







「なによあいつ、ムカつくわね〜」



「まぁまぁアリサちゃん、落ち着いて。考えは人それぞれなんだから」



ムキ〜とハンカチを噛み締めるような勢いのアリサをすずかがなだめる。

どうやらこの騒ぎを見守っていたみたいだ。


「そういや、すずかの隣も転校生だったわよね。そいつもあんな感じだった?」

「普通に喋ってくれたよ。あ、でも斎藤君からは喋り掛けてくれなかったな」


もう1人も微妙なやつって事か。


「なのはは? 確かあいつとちょくちょく喋ってたわよね」

「うん、けどこっちも必要な事以外は余り話してくれなかったな」


少し残念そうだ。なのはもすずかも友達が増えるのを楽しみにしていたのだろう。




全く、あいつは何を考えているのだろうか?
まるで人と深く関わりたくないみたいだ。


あいつとは仲良くなれない。アリサはそう確信した。













彼の心を知る人物は誰もいない……








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あきゅろす。
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