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novel
Present without shape(白昶/ハピバ文)


貴方が生まれた大切な日

共に祝福できるこの時を、これからも一緒に


「誕生日おめでとうございます」

言祝ぎに数瞬遅れて、パンっとクラッカーの弾けた音が短く鳴る

中から飛び出した紙吹雪を一身に浴びる昶は、驚いて目を丸くした

もちろんクラッカーに驚いたのではなく、白銀の行動にだ

「…俺、お前に教えた事あったか?」

「昶君についてなら、知らない事はありません」

キッパリと断言。にこやかに話す裏に何かある気がしてならない

「…万年ストーカー野郎」

「恋人に対してそれは酷くないですか?」

心外です、と困った風に笑う白銀

別段、気味が悪いとか思っているわけではないのだが…

「とりあえず…ありがとな」

「いえ、これ位しか出来ませんから」

お礼を言うのが照れくさい様子

そんな所がまた愛らしいのだと、本人に言えば即否定されるだろうけど

出来ればこのまま2人で過ごせればいいのですが…

そんな考えも突如鳴りだした携帯の電子音により、淡い期待となり果てる

「もしもし、洸兄?」

相手は彼が慕う兄貴分

途切れ途切れの言葉しか聞こえないが、誘いの電話である事は明白

「…今から?」

電話に集中していたはずの昶の視線が、不意に白銀と合う

少し悩んでいるような、そんな瞳

「ごめん、今日はちょっと…ん、じゃあ明日」

目線を逸らした後、躊躇いなく断りの旨を伝えた昶はそのまま電話を切ると同時に電源を落とした

「何でしたか?」

「俺の誕生日だから鍋やる、って言ってた」

「せっかくの好意なんですから、行けばいいじゃないですか?」

「そうだな、けど…」

携帯を放りだし、白銀の胸板に額を置くと一言

「お前と2人でいたい気分なんだよ」

昶の行動に始めは驚いたが、いつの間にか彼の背に腕を回している自分がいる

嬉しくて仕方ないのか、自然に笑い声がこぼれる

機嫌を損ねたのか、はたまた気恥ずかしさからか低く唸る声が

「素直ですね…誘ってるんですか?」

冗談で聞いてみる白銀。もちろん、バーカと罵倒で返されたのは言うまでも無く

それでも、貴方が一緒にいたいと望んでくれた事が何より嬉しかった

「愛してます、これからもずっと」

「…ん、分かってる」

ありがとう。言葉の代わりに、口づけをそっと落とした


貴方から貰った最高の贈り物

形に成らなくても、確かにここに在る



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昶のハピバ文、何とか間に合ったぜ(滑り込みでな)
新刊読んでたら、白昶がフィーバーして止まらないwww
前回の賢吾と内容かぶってる気がしなくもない(-_-;)
この後はね、きっとね…うんwww(ご想像にお任せします)

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あきゅろす。
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