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創(はじめ)_2
※男女の絡みがあります※
痛みも快感もいくらでも与えてくれる彼に、はじめはぞっこん惚れている。
彼なしでは、もうまともに生きられないような気さえする。
付き合い始めた頃は仕事をしていた。彼の家に入り浸るようになってから、養ってくれるというのでやめた。
どんな仕事をしているか詳しくはわからないが、彼の稼ぎは悪くない。一人養うくらい簡単なことのようだった。
寝室を綺麗にすることがはじめの主な役割だった。
食事は頼まれなければ作らない。寝室のついでに他の部屋も掃除して、ベッドのリネンを洗うついでに洗濯もする。
あとはぼんやりと、本を読んだり映画を見たりして過ごす。
暇に任せてそれらのレビューをブログに綴ったところ読者がついて、ブロガーみたいなことをしばらく続けている。
そんなはじめの活動に、彼は一切口を挟まない。だが、オフ会に誘われてもそれだけは断っている。
自分の時間はすべて、彼のための時間なのだ。たとえ彼が側にいなくても。
ある日、彼がたまには外で過ごそうと連れ出してくれた。
家ではなく、ホテルで一晩か二晩過ごす。そういう遊びだった。
綺麗なレストランで食事をし、広いベッドで眠る。もちろんただ眠るだけではない。
いつもの部屋でないというだけで、だいぶ気分が高まるものだ。
食事を終えて部屋に入ると、はじめはシャワーを浴びた。
彼は誰かと連絡を取っているようだった。
妙に思いながらも体を綺麗に洗う。
今夜はどんな刺激をくれるのか、考えると胸が高鳴る。
いい気分でバスルームを出て、はじめは立ち尽くした。
「こんにちわ〜」
甘ったるく語尾を伸ばして挨拶したのは、小柄な女の子だった。
「だれ?」
なんとなく怖くて、バスローブの襟をぎゅっと握った。
はじめの質問には彼が答えてくれた。
「少し手伝って貰おうと思ってさ」
ポカンとしているうちに、女の子はシャワーを貸してとバスルームに行ってしまった。
「なにあの子?」
不安げに詰め寄ったはじめの顎を、彼の手が掴む。
「たまにはこういうのもいいかなって」
「そんな」
彼は指に力を込めた。
「大丈夫」
何も言うなと言わんばかりに睨み付けられた。
ぞくりと背筋が粟立った。
嫌なのに、
どうして体が喜んでしまう?
はじめはショボくれてベッドの縁に腰掛けていた。
「お待たせしました〜」
妙に明るい女の子は、大きなバスローブを引きずりそうになりながら浴室を出てきた。
「わあ、お兄さん、超イケメン、ね?」
ベッドの縁から見ていたはじめに、女の子が小走りで寄ってくる。
「モデルさんみたい」
無邪気なように見える。
ただ、彼に誘われてここに来たくらいだから、ただの無邪気ではないんだろう。
ふと、違和感を感じた。
「えっ……」
反射的に股間に手が行く。
股に両手を挟んで、膝を胸に引き寄せる。
「どしたの?」
女の子からするいい匂いは、どうやらボディソープの匂いじゃないらしい。
彼女が顔を覗こうとする。体が近づいて、さらに匂いが強くなる。
「やだ……いやっ……」
股間が痛いくらいに疼いている。
鼓動が早くなっていく。
発情の経験がない訳ではない。
ただ、その先の経験はない。
「どうして……」
すぐにでも女の子に飛びかかりたい衝動を押さえて彼を見つめる。
近付いてきた彼は薄く笑っていた。
「興奮するだろ?」
それを聞いた女の子が、不思議そうに唸る声が聞こえた。
「ひどいよ」
「こんなにしておいて?」
はじめの股の間に手を突っ込んで、彼は男根を掴んだ。
思わず悲鳴をあげる。
「ちがっ……これは、本能だから」
「本能以外で興奮できるほど器用じゃないだろ」
普段の彼との行為だって、理性でやっていることではない。いわば本能なのだ。
彼は手を離し、はじめの肩を突き飛ばした。
「抵抗するなよ」
その酷く冷たい行為にすら、胸が高鳴る。
ベッドに倒れたはじめの体に、女の子が猫のように柔らかく絡み付いてくる。
発情で濡れた性器を擦り付けられ、スイッチが入ったような感じがした。
男根がさらに張る。
「おにいさん?」
女の子はもうすっかり出来上がっている。
擦り付けた性器からは卑猥な水音がぐちゃぐちゃと発せられている。
「交尾ははじめて?」
声からもフェロモンが出ているのではないか。
そんな気さえする。
オメガの女の子に、食べられてしまう。
反射的に恐怖を感じて、頷くことしかできない。
はじめが動けないでいるうちに、女の子はするすると移動した。
ナメクジが這うように、粘液が跡を作る。
「怖いの?」
「……うん」
はじめの答えに女の子が笑う。
「大丈夫、すぐに分かんなくなるわ」
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