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ナミダ ノ シズク 
08

裕貴が背後で止めてくるのも聞かずに足早に店を出た。

帰路の途中でどうしても涙を堪えきれなかった。
頬を伝った一粒の涙をきっかけに後から後から涙が零れてくる。

思わず道端に蹲って、声を押し殺して泣いた。

「うぅっ・・・ごめん・・・ごめんっ」

これで良かったんだ。
これで、裕貴は苦しまなくて済むんだ。
今は苦しくても、きっと時が経てば忘れられるから。

道を行く人が怪訝な表情で僕の隣を通り過ぎて行くが気にならなかった。

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