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ナミダ ノ シズク 
09

道端で長いこと泣いてからやっと家に帰った。

「ただいま・・・。」

「お帰り。用は済んだの?」

目を腫らして帰ってきた僕に母さんは少し驚いた様子を見せたが、直ぐに優しい眼差しになって何も聞いてこなかった。
そんな母さんに感謝しながら小さく頷く。

「そう・・・。なら早く用意しちゃいなさい。」

そう言って母さんはリビングに戻っていった。
僕も自分の部屋に戻り、ボストンバッグに着替えを詰める。
そんなに要らないから時間はかからない筈なのに、腕が重くて中々詰める作業がはかどらない。



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