未定。 37 学園祭が始まった。 僕らのクラスがやってる「メイド・執事喫茶」は混んでいるというほど混んではいないけど、まばらにお客さんは居て丁度いい感じです。 でもなんか、混んできた? 「ねぇ、大林ー」 隣に立っていたクラスメイトの大林に声をかける。 ちなみに、大林はシュっとした執事の格好をしている。 それなりにイケメンなので結構似合ってる。 「ひゃい?!!な、な、何でしょうか?!」 何かドモってるんですけど…。 まぁ、そこは敢えて無視しよう。 「…何か混んできた気がするんだけど。」 さっきから思ってた事を聞く。 ちょっと冷静になった大林は客席をゆっくり見渡す。 「そ、そうかもね…。呼び込み組が頑張ってるんじゃないかな?」 「はぁ。呼び込み組ねー。」 呼び込み組とは、店が空いてるのでもっと人を集めよう!という考えで動く人達の事である。 ちなみに僕は、こんな格好で人前を歩きたくないので店に残ることを選びました。 小鳥遊は行っちゃったけど…。 そして、どうやら呼び込み組が頑張ってるみたいです。 頑張らなくていいのに…。 「おい、桜井!本格的に人が増えてきたぞ。」 大林に言われて気がつく。 少しボウっとしている間にお客は増え、ほぼ満席状態になっている。 「すいませーん」 「あ、はい!」 お客に呼ばれて、そこに向かう。 僕を呼んだお客は僕が席に行くと、ジロジロとこちらを見て、なかなか注文を言わない。 「あ、あのー。ご注文は?」 そこでやっと目線がそれた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |