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未定。
13
そう男は言ってニヤリと嫌な笑みを浮かべた。

「結構です。自力でなんとかしますから」

極力冷たく言いはなった。

「そないな事言わんとお兄さんが優しゅう教えたるから。なぁ?」

男は関西弁でそう言うと少しずつ間合いを詰めていった。
男が近づく度に後ろへと後退りしていく。
だが、男はしつこく尚も近づいてくる。


逃げるために後ろを向いた瞬間腕をおもいっきり掴まれた。

「離せっ!」

「イヤや。離したら学生さん逃げるやろ?」

男はそう言い物凄い力で僕を人一人通れるかどうかの細い路地に連れ込もうとしている。
必死に抵抗するが普段筋肉など鍛えていないため全然歯が立たない。

「誰かっ!」

「アンタ何にしてんだ?」

僕が叫んだ瞬間目の前に男が現れた。

「何や?こっちとらお取り込み中や。若いもんは引っ込んどれ。」

若いもんってアンタも僕とそんなに歳変わんねーだろ。
と、言いたい気分だったが今は言える状況ではない。

「助けてくれ!こいつが僕を連れ込もうとしてんだ!」

藁にもすがる勢いで男に手を伸ばした。
男は手を取り、ぐっと引っ張った。

「アンタその手離せよ。離さないとぶっ殺すよ?」

男は少しお茶らけた声で関西弁に言った。その顔は笑っているが目がちっとも笑っていないことに恐怖を覚えた。

「何やお前さん。ワイは迷子の学生さんに優しゅう道案内しようとしてるだけやないか。」

何が優しく道案内だ!どこが優しいんだ!まず、道案内する気ねーだろ。

「そいつ俺のツレなんだよ。だから手離せよ!」

はぁ?ツレ。困惑した感じに男を見るとチラッとこっちを見てから視線を戻した。

「ちっ。わーたよ。離しゃいいんだろ。」

関西弁はやれやれといった感じに言うと手を離した。

そして、僕の横を通り抜けフラフラと角を曲がっていった。

「あ……あの、ありがとうございます。その、助けてくれて。」

関西弁が曲がった角を見つめていた男に素直に礼を言った。

すると男は鋭くこちらを睨み付け口を開いた。

「学生がこんな昼間からこんな裏道で何やってんだよ!」

いきなり怒鳴られたので驚いてしまった。

「いや、それには色々と事情が……。」

「何があったかは知らないし、知ろうとも思わない。だけどこれだけは言わせろ」

男は一呼吸置いて言葉を発した。

「学生の本業は勉学!それが出来ないなら学校など行くな!」



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あきゅろす。
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