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白銀の昇り龍
案内人

「初めまして。体育科の浜中です」


爽やかにそう言いつつも、目に見えて落胆した模様の目の前のデカい男。

おそらく20代後半30代1歩手前。
よく日に焼けた肌とツンツンした頭が特徴的だ。


『初めまして。新しく来ました社会科の大城です。よろしくお願いします』

「では浜中先生、頼みましたよ」

「はい。それでは失礼します。行きますか、大城先生」


そい言って校長室を出た長身の後に続いて俺も校長室を出た。
出る際の挨拶は忘れずに。


二人でエレベーターに乗った瞬間、横からデカいため息。

ついで、無遠慮な視線。


『……なんでしょうか』


人のことじろじろ見やがって。
用があるなら言ってみろってんだコノヤロー。


「名前だけ聞いたら、それなりな奴が来るのかと期待してたんだが。こんなもっさい奴が来るだなんて、とんだ大ハズレだ」

『申し訳ないですね、ご期待に添えなくて』

「まったくだ。あーでもお前、身体のラインと声は綺麗だよな」


そう言いながら伸ばしてきた手を叩き落とす。


「ってぇな。何すんだよ」

『それはこちらの科白です。だいたいあなた、言葉遣いが酷いんじゃないですか?』


教師がそんな言葉遣いをしてちゃ駄目だろう。


「そうかあ? まぁ、ここじゃ問題ないし。
お、この階だこの階。そっちの渡り廊下の先が音楽室やなんかがある特別教室棟。んで、反対のこっちの渡り廊下の先が普通教室棟な。先に社会科準備室のある普通教室棟を回るか。
1階が3年、2階が2年、3階が1年な。んで、社会科準備室はここ2階の一番端。今日中にデスク整理しとかないと後が大変だからな。
それよりお前、なんでこんなとこに来たんだ?」

『……と申しますと?』

「デスクの整理しとけと言った直後に言うことじゃないが、お前みたいな軟弱じゃ、3日ももたねぇと思うけど」

『……ご自分が先刻からなかなか失礼なことを言っている自覚はありますか?』

「いやいや、俺は心配してんの」



ほー、案外いい奴なんじゃないか。



「俺の勤務先から死人が出たら、なんか微妙だし」



………今すぐ殴りてぇコイツ。


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あきゅろす。
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