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白銀の昇り龍
弘燎狩?
星崎の話はこうだった。

最近、この近所をガラの悪い連中がうろついているらしい。

だが、彼らのやりたいことがいまいちよく分からない。
うちの生徒に声をかけてみたり、かと思いきや、教師陣にも声をかけてみたり。
カツアゲされた人も、彼らのたまり場に連れていかれた生徒もいるとのこと。

これらをまとめると。



「あいつら、「弘燎」を手に入れたいんじゃないかと思うんだよね。」



大真面目に言う星野。
だがな、お前。「弘燎」なんてどうするんだよ?
教師と悪ガキどもしかいねぇじゃねぇか。

俺の不思議そうな顔を見たらしい宮浦が、「よくわからないけど」と自分の見解を言い始める。



「ひょっとしたら、自分たちの部下が欲しいのカモ」

『自分たちの部下を、弘燎の生徒から探すってことですか?
まあそれはありそうですけれど、じゃあ、教師にまで声かけているっていうのは?』

「そこがよくわからないんだよねー。
……ただのカモとか?
とりあえず、センセは1人での外出禁止ね」

『私は出かける用事ありませんから』

「それじゃ安心ー」



ほっとしたように言う宮浦。
その隣で、矢崎が難しい顔をしている。



「もし、外出する用事があったら、俺か宮浦を連れて行け。
こんな時にあんたみたいなのが1人でふらふら歩いていたら良いカモだ」

『あー、ご心配ありがとうございます?』

「なんでギモン?」

『生徒に守られる教師ってどうなんだろうと思いまして。
あ、大丈夫ですよ。坂上さんもいますし』



そう言うと、宮浦は一気にご機嫌ナナメになった。



「センセ、あいつと一緒にいるの禁止ー」

『なぜですか』

「だってあいつ、ぜぇったいにセンセのバック狙ってるもん」



狙ってるもんってお前……。
いや、実際には(ある意味)そうなんだが。



『いやいや、おかしいでしょ。街中でヤるアホがいますか』

「え、先生アオカン希望?」

『君は1回、頭を診てきてもらいなさい』



教師へのセクハラがひどすぎるから。


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あきゅろす。
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