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白銀の昇り龍
寮での仕事

手伝ってくれた生徒たちとの楽しい談話の時間は過ぎ、彼らはアイスを片手に意気揚々と各々の部屋へと引き上げていった。



さて、こっからは俺は寮管としての仕事がある。


だが、この部屋にあった寮管の仕事のマニュアルに目を通すと、さほど仕事がないことがわかった。


……これなら、もうちょっといろいろ自室から持ってくるんだった。


門限後に靴箱を見て、寮生が全員帰ってきているかを確認し、消灯時間には、廊下に出ている生徒がいないかどうか見回る。

つまり、今から2時間は仕事がないのだ。


さあ、どうしようか。
そう思ったが、考えてみたら夕飯を食べていない。

とりあえずは夕飯だよな、と思った俺は、食堂に向かった。










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夕食を終え、教師寮の自室から持ってきた仕事をこなしてあっという間に時間が過ぎた。

今の時刻は21:00。

教師寮よりもずっと門限が早いのは高校生だからだろう。

まずは、靴箱を確認して、生徒がきちんと帰ってきているかのチェックだ。

靴箱の位置は確認済みなので、迷うことなくチェックを始める。

…………入寮者120人中、15人がまだ帰ってきていなかった。
つまり、帰ってきていない生徒が一割超え。
え、いつもこんななのか?

焦った俺はとりあえず、寮のロビー(というほど立派なものではない)にあたる場所にある椅子に腰かけ、帰ってきていない不良どもを出迎えることにした。

ちなみに、名簿持参で、いない奴の名前はチェックしてある。

20分ほど待った頃だろうか。

ドアが開き、長身の男子生徒が2人、帰寮した。
どんな悪そうな奴が帰ってくるのかと身構えていた俺は、その2人の顔を見て思わずげんなりした。



「あー、センセじゃん! なーにしてんのー?」



言わずもがな、宮浦である。
あの、宮浦である。
話すだけで疲れがどっと出る、宮浦である。

間延びした話し方をする宮浦を視界に入れないようにしながら、俺はもう一人の方を見た。



「ああ、今日明日の当番なのか。お疲れさん」



たまに常識人っぷりを垣間見せる矢崎は、興味がないという顔で俺の横を通り抜けようとした。



「で、センセー何してんのさ」



そこにブレーキをかけるのが宮浦。
いい加減にしてほしいのだが、俺は教師である。
一応、返事ぐらいはしてやるか。



『門限までに帰ってきていない生徒がいるので、ここで見張っているんです。
君たちも30分の遅刻ね』



そう言うと、2人は目を丸くした。



「え、ここ、門限なんてあんの!?」



………オイ。


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