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白銀の昇り龍
結局、こうなる

「はあ? こんななよっちい奴の腹が堅いわけねぇじゃん!」

「お前のパンチがヤワすぎんじゃねぇの?」

「いや、マジだってば!」



なよっちい、ねぇ……。



「どっからどう見たって、一発殴ったら失神するタイプだろうが、コイツ」

「お前、弱くなったんじゃねぇの?」

「うわ、笑えねー」



笑えないのはお前らの態度だよ。



「おら、いいか? こうやって殴りゃいいんだ、よ!!」



3人の中じゃまだマシな奴が殴りかかってきた。
が、俺はその手を避け、殴りかかってきた勢いを殺せずにいる相手の足元に足を出して引っ掛けてやった。

ホラ。
動きがいちいちでかいからそうなっちまうんだよ。


勢いよく転んだ相手は、派手に地面に激突して。
振り返った鼻からは、夥しい量の血が出ていた。



「てめぇ、よくも………」



逆上する3人。


あー……面倒くせぇ。



『かかってこいやぁ!』という言葉を飲み込んで、構えを取る。



「はっ! お前みたいななよっちいヤツが構えを取ったって、なんもできねーだろうが!!」

『実は、私にも武道の心得が少しだけあるんです』



ほら、つい最近、講師の方がいらっしゃるようになったでしょ?
だなんて言ってみれば。



「実戦経験がなきゃ意味なんざねーんだよ」

「なに? ちょっと護身術習っただけでもう勝てる気? ばっかじゃねぇの?」



やれやれ。
こうなったら、護身術だけでなんとかするか。


殴りかかってきた相手の攻撃を避け、そのまま勢いを活かして相手を投げ飛ばす。
他の2人も同様のやり方で伸した。


「て、めぇ……」

「調子ノってんじゃねーぞ!!」


あれ? 火に油注いじゃったカンジ?


そんなアホなことを考えていると。



パチパチパチ………



「紅さん、教えた通りにできたじゃないですか」



にこやかに微笑んだテツ登場。


ただし。

口元は笑ってても目は全く笑っていなかった。


こわ!!


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