白銀の昇り龍
-02(※)
切なそうな顔の、テツ。
興奮しているのも、早く挿入したいのにそれを必死に抑えているのも、痛いぐらいに伝わってくる。
よし、もう一押し。
『なぁテツ。俺のここに、入りてぇか?』
そう言いながらテツの性器を触っていない方の手で、未だ俺のアナルに入ったままのテツの手を掴み、前後に揺すってやり、ついでに挑発的に笑いかけてやる。
これやると俺自身も刺激されるが、何より、テツが俺の内部をリアルに感じて、より余裕がなくなる。
「………っ。こ、紅雅」
『なに。射れたい?』
「いえ、若と早く一つになりたい気持ちも山々なのですが、今日は久しぶりなので……その、若のを味わいたい、です」
テツは、情事の、それも気持ちが高ぶった時限定で、俺を「紅雅」と呼ぶ。
俺が小さいときには確かに「紅雅さま」と呼んでいたが、16歳からこっち、「若」としか呼ばない。
初めて身体を繋げた日からこの呼び方をしてきていたが、どういう時に「紅雅」と呼び捨てにするのかが分かったのは、それから数年後だ。
それを指摘したときのテツの顔は、そりゃ見物だった。
『ははっ、呼び方滅茶苦茶だぞ、テツ』
「も、余裕ないですから」
『んじゃ、69にするか。俺もテツを味わいてぇ』
「は、い」
互いの性器をくわえあって、卑猥な音を立てながら頭を上下する様は、端から見たらどのように見えるのだろうか。
そんなことを考えながら、テツの立派なソレに舌を這わす。
手で竿を扱きつつ先端の割れ目にぐりぐりと舌を押しつけながら舐めれば、お返しとばかりに、テツは俺の先端をやわやわと歯で刺激してくる。
そんなことを続けているうちに、俺が先にテツの口内でイき、それに誘発されるかのように、テツも俺の口内に白濁を放った。
「は……久しぶりの紅雅の味です」
『テツ、お前………随分濃いな』
「……若がいなくなって、穴埋め作業が増えましたから。こう見えて、結構忙しくしてたんですよ。
かくいう若も、かなり濃いですね」
『俺も抜くヒマがなかったな。
………ああ、先週抜かれたけど』
「その話はあとで伺います。今は……もう、あなたに射れたい」
『は、来いよ』
この行為が久々すぎて、もう限界だ。
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