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白銀の昇り龍
あったのか……

銀髪寡黙青年に子どものように抱きかかえられ、移動すること数分。


この僅かな時間の間に、俺は少々ぐったりとしてしまった。

散々下ろすように言ったにもかかわらず、俺の意見は一切聞いてもらえなかったのだ。


諦めのついた俺は深いため息を吐き、目の前の肩に掴まった。
なんだか色んなことが起こって疲れてしまった。

正直、眠い。


「だいぶ疲れてるようだな」

『え……ええ』


話しかけられるとは思っていなかったため、反応が遅れてしまう。


「もう着く。着いたら、あいつが帰ってくるまで寝ていたらどうだ?」

『………いえ、起きています』


よくわからん奴らの前で寝られるかってぇの。

ここホモ校だし、寝てる間に掘られたり脱がされたりしたっておかしくないわけだし。


「そうか………着いたぞ」


言われたと同時に、俺らは重厚なドアをくぐっていた。















これは、また………

『広いですね』

「そうか? 生徒会室はここの2倍の広さがあるぞ」


はい?


『ここって、生徒会室じゃなかったんですか?』


これだけ施設が揃っていて広いとくれば絶対にそうだと思ってたのに。じゃあここは……風紀とか?
でも、さっきの軽そうな奴といい、目の前の奴といい、自ら風紀を乱しにいってるし、そもそも風紀委員会なるものがあったなら、この学園ももうちょっとまともなはずだ。
というわけで、風紀はありえん。


「ここは風紀委員の詰所だ」


否定した矢先にこれか………まさかの風紀委員でしたか。

そんな気持ちが表れていたのだろうか。
思わず、まじまじと相手に見入ってしまっていたらしい。


「……なんだ?」

『あ、いえ。この学校にも風紀委員っていたんだなぁなんて思いまして』

「………なぜそう思う?」


え? そこ聞いちゃうのか?
誰がどう見たって、同じことを言うと思うんだが………。


『いえ、この学校の風紀って、正直なってないと思いますから』


ほら現に、私、襲われちゃいましたし?

と言ってやると、相手は何やら考え込んでいる模様。


漸く顔を上げたと思えば。


「風紀ってどうやれば良くなるんだ?」


マジか!!


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