白銀の昇り龍
-02(※)
ベッドの上で今まさに襲われ中の俺。襲い中の浜中。
音を立てて開かれたカーテン。
そしてその向こうに立ち、いかにも迷惑そうに眠そうにこちらを見てくるのは。
我がCクラス出席番号1番の茶髪な彼。
その名も相川。
今会いたくない奴NO.1。
「浜中に大城か」
『浜中先生と大城先生って言いなさい』
「「………………」」
思わず言ってしまった俺のバカ。
空気読めよ自分!
何となく相川の方を見てみると、いかにも興味なさそうな顔をしている。
「とりあえずさ、ここは調子の悪い奴が来るところだから」
『え、調子悪いんですか? すみません!』
もし調子が悪いのだとしたら、大の大人、それも教師が2人して、迷惑をかけたことになってしまう。
「調子わりーっつーか寝不足」
だから寝てた、と欠伸混じりに相川は言う。
『………………』
「………なに」
『いえ、心配しただけ無意味だったと思いまして』
そういえば、なんでコイツと俺、普通に会話してんだ?
「ところでソレ、合意?」
『に見えます?』
「たぶん……見えない」
『たぶんじゃないでしょう。そこは確信持って言ってください』
「ってか浜中、そんなん抱けんの?」
ス、スルーされた………
「抱けるからこうしてんだろーが。お前、用事ねぇなら出てけよ」
「いや用事あるし。俺まだ寝る」
「寝床は他にもあんだろーが!」
「あんたらこそ、どっか別の場所でヤりゃあいいじゃん」
『あんたらって………一緒にしないでくださっ……ン!』
「ネコちゃんはおとなしく鳴いてろよ。
それより相川。お前、こんなにイイカラダ目の前にして、オアズケできるとか思うわけ?」
そう言って浜中は、俺のシャツの前を大きく開けた。
相川は黙って俺の上半身を見た後、手を伸ばしてくる。
ああもう………イヤだ。
パシッ
「コイツは俺のエモノだ。手出しはするんじゃねぇよ」
いやアンタのエモノでもないんだけど、ね?
ふと相川の方を見ると、眉間に皺を寄せたまま、何やら考えている模様。
そのまま、保健室を出て行った。
え? 相川? え?
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