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白銀の昇り龍
嫌なものは嫌

浜中に抱えられて連れられてきたのは保健室。

だが、その扉には【外出中】の文字が。


「あー、今日アイツ出張だったか」


そう呟くと、俺を抱えているために手が使えない浜中は、行儀悪くも足でスライド式のドアを開けた。

そしてそのままベッドまで移動し、俺をそこに降ろすとまた戻ってドアを閉めた。

音からして、ついでに鍵も掛けたらしい。


先ほど浜中が言っていた「アイツ」とはおそらく保健医のことなのだろう。

だとすると、この保健室には俺と浜中の二人きり。


電気のついていない保健室は、それでも昼日中のためにそれなりに明るい。

そんな微妙な明るさの中、浜中はベッドに腰掛けた俺との距離を縮めてきた。


……俺と浜中が逆の立場でかつベッドにいるのが美丈夫っていうおいしいシチュエーションだったら、俺なら相手押し倒すな。


とか考えている間に、目の前まで来た浜中に胸から腹までを撫でられた。


そういや俺、前全開だった。


そう思ってボタンのないワイシャツの前を閉めようとしたら。


「隠すなよ」

『…………いや意味わかりません。だいたいなんで触るんですか』

「お前イイ体してんなーとは思っていたが、まさかこれほどとは思わなかったぜ。なぁ、一発ヤんね?」

『嫌ですよ』

「即答かよ。……気持ち良くしてやんぜ?」

『嫌なものは嫌です』


コイツとヤんのも嫌だけど、それ以前に背中見られたらいくらなんでも彫りモンに気付かれちまう。


「なんだよ。前言ってたお前の彼氏に操立ててんのか?」

『当たり前でしょう』


あー、コレ良い言い訳。


「そんなにアッチがいい?」

『俺の相手は決まってますから』

「1人しか知らないから、ソイツだけが特別ウマいと思い込んでいるとか」

『残念ながら数人は知っています』

「ソレ操立ててねぇじゃん」

『恋人になるまでに期間があったもので』


コイツめんどくせぇ!


『っていうかなんでここに私は連れて来られたのでしょうか』

「傷があったら消毒しようと思ってな」


まぁ傷なさそうで良かったわ。
そう呟く相手を思わず凝視。意外とマトモじゃん。


「ついでに保健医いなかったらシケこもうかと」

『ご迷惑をおかけしました。お先に失礼します』

「待て待て」


腕を引かれた俺は、そのまま浜中に抱きすくめられ、あろうことか唇を奪われた。

こ、いつ……!


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あきゅろす。
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