白銀の昇り龍
-05(※)
誰も何も話さない狭い室内では、舌が奏でる音と複数人の息遣いが響く。
横にはビデオカメラ。
「眼鏡を外さない代わりにたっぷりセンセーを味わわせてね」と言った男は、俺を床に押し倒して胸やら腹やらを舐めたり吸ったり。
そして俺はというと、その辺りは散々テツや蒼空に弄られたところなだけに、かなり弱いわけで。
「センセー、勃ってきた……」
うるせぇよ。
とりあえず、今何か喋ったら確実に口調が崩れるだろうから、必死に我慢。
ふと下を見ると、真っ赤に腫れた乳首を紅い舌がまとわりつくように舐めている。
その舌が出ている薄い唇が胸の頂を覆ったとき、奴は何故か俺を見上げてきた。
な、んだ?
目を合わせたまま、奴は思いっきり俺の胸に吸い付いた。
もちろん、俺は声を我慢しながら体を固くして必死に抵抗する。
股関を触られる感覚に目を開いたとき、奴が嬉しそうに笑っているのが見えた。
くそ、楽しんでやがる……。
しかしそんな淫靡な空気は長く続かず、ドアの破壊音と共に破られた。
「浜中……」
慌てるでもなく、矢崎が呟く。
「おーおー、現場押さえちゃったかんじ?ヒメは大丈夫……だな」
『……遅いですよ』
ってか誰が姫だ。
「呼んだの?」
俺に覆い被さる男が鋭い目で聞いてくる。
『ええ。この部屋の…片付けをやれ、と言われましても……私はここに来てから日が浅いですから。浜中先生に、お手伝いして…いただこうと、思いまして』
くそ、普通に喋んのもつれぇ……。
「ふーん?」
『というわけですので、もうどい……ハっ、ン』
野郎、人の息子を揉みやがった。
「ココこんななのに?」
『離、しなさ……』
「息詰まらせてるセンセー、超カワイイ」
「いい加減にしろよ宮浦」
ゴツッ
「い……ってぇ!」
宮浦というらしい情報屋に拳骨をお見舞いした浜中は、俺を引っ張り起こしてくれた。
「行くぞ、大城先生。後は頼んだぜ」
そう言った浜中の視線の先には、厳しそうな先生が2人。
っていうか俺、あられもない姿を4人の先生に見られた?!
その事実にあまりにも呆然としていたのだろう。
俺は、反応が遅れてしまったのだ。
「よっと」
『ん? ちょ…降ろしてください浜中先生!』
「うるせぇな。俺が保健室まで運んでやるんだから静かにしてろよ」
だからって姫抱きはないだろ!
『や、歩けますから!』
「いやその状態じゃ無理だろ。イイコだから素直に抱かれてろよ」
なんて奴だ!!
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