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白銀の昇り龍
え、これはちょっと………

校長の後について入った隣の部屋は、どうやら物置代わりの部屋らしく。

しばらくその部屋の隅で何かを探していた校長が手にしたものを見て、俺は顔が引きつった。

校長が手にしていたのは……ビン底メガネと黒いモッサリ。

その時代遅れ甚だしい2つを軽く掲げて、校長は一言。


「これぐらいつけないと目立っちゃいますよ、紅雅くん」


いやいや、それつけたら別の意味で目立つかと。

校長の頭を見て、問題ないことを確認してから言葉を紡ぐ。


『ソレ、ハゲそう……なんですケド』


すると校長、にっこり笑顔。


「大丈夫ですよ、君のお爺様もまだまだ残ってますし」


それはオヤジがそういうことしなかったからだと思うんだけどな。

どんなに拒絶の意志を示しても、にっこにこ笑う校長に脱力。


ついには俺が折れた。




「なかなか似合うじゃないですか紅雅くん」


いや、似合っても嬉しくないし。


「まるで別人みたいですよ」

『はあ』


どんな反応をすればいいのやら。


「学園にいる間はその2つをつけていてくださいね。その方があなたのためですから」

『はい』

「それから、あなたの名前は大城 紅(オオシロ コウ)でお願いします」


まあ、皇城の名前は有名だからな。


『はい』

「あとは………ああ、あなた刺青は?」

『そりゃまぁもちろん、刺れてます』

「では、Yシャツの下に何かしら着ていただけますか?」

『いや、刺れているといっても白粉彫りなんで。色は刺れてないです』

「なら大丈夫ですね。それでは、学校内を案内してくださる先生を呼びましょうか」


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