白銀の昇り龍
職員室で
生徒たちとの交流も終わり、職員室に戻る。
とそこに西島も帰ってきた。
………なんだかえらく機嫌が悪そうだ。
仕方がない。同期の誼で声かけてやるか。
『西島先生、どうかされました？』
「大城先生……」
深いため息をつかれた。
え、原因俺じゃないよな？
『西じ……』
「なんなんでしょうね、最近の高校生は！」
『…………はい？』
「教師をナメきったあの態度！ 許せません」
…………なんかすごく怒ってるんですけど。
『な……何があったんですか？』
「自己紹介中にある生徒に【興味ねぇ】と言われまして。さらに、その後の出欠確認の時には【全員いるのがわかんねぇのか】ですよ」
『それで？』
「さすがに頭にきて注意したら、半数近くが出て行きました」
『ハハ……』
「な！ 笑い事じゃないですよ！」
『いや、【興味ねぇ】以外は私も一緒ですよ。生徒に出て行かれました』
そう言うと、西島は目を丸くした。
「せ…せんせぇ……」
抱き！！
『………は？』
「同じ境遇の者同士、助け合って生きていきましょうね！！」
『は……はい？』
え。
なんだなんだこの状況。
俺はまだ、コイツを認めていないどころか気に入ってすらいないってのに…………抱きつかれてる！！？
身じろぎした俺に、相手はやっと我に帰ったらしい。
「うわわっ！ 私としたことが！ すみません！」
『いえ……』
そう言って放してくれたそこまでは良かった。
続く余計な一言と行動さえなければ。
「しかし大城先生って、ひょろいだけかと思いきや、意外と抱き心地がいいですね！」
その言葉と同時に腰を撫でられる。
ﾊﾞﾁｰﾝｯ!!!
俺の平手打ちがその手の持ち主の理性とは関係なしに炸裂したのは仕方がないことだと思う。
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