白銀の昇り龍
意外と友好的
そう考えた俺は、さっそく黒板に委員会名を書き出す。
とそこへ話し掛けられた。
「センセってどこの委員会の担当?」
クルリと振り向いて、発言者を探す。
写真見たから顔と名前は一致しているが、さすがに声はわからない。
「俺ね、今の」
そう言ってヒラヒラ手を振る銀髪のイケメン。
お、親近感。
『代表委員ですよ。杉原くん』
そう言えば、相手は驚いた顔。
「え、もう名前覚えたの?!」
『ええ。先ほど出席を取りましたしね』
みんな一様に喋り始める。
『静かに。それではまず、代表委員から決めます。まずは自己推薦。誰かいますか?』
「俺おれ! 俺やる!」
杉原が手を挙げて、周りの奴らは杉原に注目する。
「俺で決まりじゃね?」
『みなさんいかがですか?』
顔を見合わす生徒たち。
しばらくして意見がまとまったのか、みんなして頷いている。
「では、代表委員は杉原くんで。では杉原くんは前に出てきてください」
そうして前に出てきた杉原に委員一覧表を渡し、残りの作業をバトンタッチ。
する前に、一つだけ。
『ああ、それと。代表委員枠は2人ですが、今は杉原くん一人でやってもらいます。同様に、今いるメンバーで、各委員最低一人ずつ割り当ててってくださいね』
そう言えば、杉原は不思議そうな顔。
「なんで?」
『だってこのクラス、今、半数しか人がいないでしょう? 確かに勝手に出て行ったのは彼らですが、選択肢は残しておいてあげるべきだと思いますので』
そう言えば、中には眉間に皺を寄せる奴が出てきた。
………だが、残念ながら、俺は引き下がらないぜ?
なんたって、出てった奴らをまとめてるのは相川なわけで。
それなら、相川を押さえて代表委員にしてしまえば、後は楽なもんだからな。
ついでに言うと、さっき出てった奴らが素直に働くとは思えない。
が、誰も担当者のいない委員を作るわけにはいかないわけで。
もし、担当者不在の委員があった場合の穴埋めはおそらく、俺がすることになるだろうから。
そんなのはごめんだ。
「そんな優しさ、いらないと思う」
『では、もっと実務的なことを言いましょうか。担当者不在の委員ができてしまっては、クラスの運営が成り立ちませんから。そうなると、君たちも困りますし、私も困ります』
そう言って、渋々ながら納得したらしいガキ共にバトンタッチをして、俺は教壇を降りた。
うん、素直なコは大好きだぜ??
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