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白銀の昇り龍
コレ、自前なんですが

オヤジ、もといじーちゃんの言葉になど逆らえず。


あれから2週間経った今、俺は、弘燎高校の校門の前にいます。


因みに少々疲れ気味。


慣れない授業準備と基礎知識の再確認は、想像以上だった。



『さすが不良校。きったねーし目茶苦茶だわ』



いたるところ落書きだらけ。
あとは、継ぎ接ぎされた窓やら壊されたドアやら。


入る前からその荒れ具合にゲンナリしつつ、門をくぐる。


入学式前の学校は、生徒の姿もなく閑散としている。


そのまま校庭を突っ切って校舎へ。


事務室で名前を告げれば、校長室に案内してくれた。



『失礼します』


「ああ、君が皇城紅雅くんですね?」


『はい。初めまして』



目の前には50代半ばぐらいの人の良さそうな男。

体型、普通。
身長、俺より少し低いぐらいだから167cmか168cmってところ。
顔、年の割にはシミなんかがなくて小ぎれい。
裏稼業とは無縁なところに生きていそうな感じだが、オヤジと知り合いってことを考えると一筋縄じゃいかないんだろうな。



「君が来るのを待っていましたよ。お爺様のご自慢のお孫さんだそうじゃないですか。ところで、事前に送った学校案内はご覧になったかな?」


『はい、一通りは』


「そうかそうか。では、早速校舎内を案内させましょう。…………とその前に君、その外見はマズいなぁ」



ああ、なるほど。髪と目の色がマズいのか。


極道としての俺には、【白銀(シロガネ)】という通り名がある。
その名の通り、俺の髪は銀に近い金色、そして、目も銀色なのだ。



『髪も目も自前、なのですが』


「ああ、それは知っていますよ。そうではなくてね………君、綺麗な外見をしているから」


『………?』


「狙われそうだ」


『………誰から?』


「生徒からも、教員からも」


『………?』


「まぁ、それに関しては直に分かりますよ。
とりあえず、ついて来て下さい」



そう言って、校長は隣の部屋に入っていった。


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