アンタとオレの関係 まさかの…… さてはて。 大急ぎで第1体育館(体育館は4つあります。………ムダだよね)に向かった俺ら5人。 体育館の扉を開けてみると、そこにはたくさんの人、人、人。 ここには今、単純計算で120人が集まっているはずだから、まぁ当たり前っちゃ当たり前なんだろう。 そんなことより。 『なぁ、なんで白衣の人たちがいるの?』 そうなのです。体育館の手前に生徒たちが集まっているのは良いんだけど、奥には白衣の人たちと機械。 なんだかまるで……… 「健康診断みたいだな」 俺の台詞を横取りしないでよ健ちゃん!! 「みたい、じゃなくて、健康診断なんだよ、1年生諸君!」 そこに響く第三者の声。 聞き覚えのないその声に振り向いてみれば、そこには見たことのない先輩。 「今日は、体育祭の練習をするんじゃ……?」 訝しげな和巴ちゃん。 そんな顔もめっちゃくちゃカワイイね☆ 「体育祭の練習をするにあたって、全団員の身長・体重・視力はもちろんのこと、持病の有無を知る必要があるのさ」 へー………そんなもん? 「因みに!! 佐倉遼くん!」 『ぅあい!!』 びっくりしたぁ! 「君の健康診断、及び身体能力に関する過去のデータを見せてもらったが………」 何だなんだナンダ!? 「君は素晴らしいよ!! ウェイトに少々難有りだが、それ以外は完璧だ!!!」 これって……これって………! 『個人情報流出!?』 「「「そっちか!!!」」」 みんなにツッこまれていた時、一人思案顔の有志がボソリと呟くように言った。 「【ウェイトに少々難有り】って言うのは、軽すぎるってこと?」 「その通り! 佐倉遼くんは身体能力的には完璧なんだが、ウェイトが軽いせいで戦力としては【少々難有り】なのだよ!!」 みんなで少し引いた顔をしてしまった。 『つまり、戦力になるかならないか、っていう観点からのみ、俺は【少々難有り】なんですか?』 ソレって、なんだかちょっと嫌だぞ? 「そう! そこでだ、佐倉遼くん!!」 どうでもいいけど、いちいち人のフルネームを叫ばないでほしい。 「君には、今から体育祭までの間に太ってもらう!」 「「「「ぜったい駄目だ!!!」」」」 …………俺以外の人の声が重なった。 っていうかさ、 『なんでいるんだよ、夾も裕行会長も』 いつの間にやら、ね。 ◆◇ [戻る] |