アンタとオレの関係
綺麗なお兄さんは?
んで。
和巴ちゃんと蒼太から俺が落ち込んでる理由を聞いた生徒会3人組は。
「遼くんて、意外と抜けてるよね(笑)」
『うっさいやい!』
「ムキになっちゃって♪ そんなところもかわいー」
人のほっぺをつんつんつっついてくる裕行会長。
「ハニー、寂しくなっちゃったんなら、お兄さんが慰めてあ・げ・る♪」
『いらないデス』
「えー……」
っていうか、いつから俺はこのピンク頭に「ハニー」と呼ばれるようになったんだっけ?
「………なんだか微妙な心境だな」
『………………………』
「なんで俺の時はだんまりなんだよ??」
じゃあなんと返せと?
男の俺に、同じ男であるにも関わらず、かなり真剣に告白してきたやつの前で、「綺麗なお姉さんが好き」的なことを言ったと暴露された俺に対して「微妙な心境だ」という感想になんと返せと?
だんだんやさぐれた心境になりつつ、それと同時に癒やしが欲しくなったなどと考える。
だけど、もう綺麗なお姉さんを期待できないことは確定なので、代わりに猛烈に誰かに甘えたくなった。
できれば5つぐらい年上で。
でも、ここにはそんな人がいないから。
『裕行会長ぉ』
「ん? 何かな、遼くん?」
『膝乗せて』
「…………え?」
裕行会長は俺が膝に乗れば癒やされると言っていたし、俺も(今は)それが癒やしになる。
「どったの遼くん。急に」
『んー……利害の一致?』
「…はい?」
どーでもいいから膝に乗っけてください。
「フフフ……さぁおいで遼くん! 遠慮はいらないよ!」
そう言って、健ちゃんの席で両手を広げた裕行会長のところに行こうとして、失敗。
『ゆーし?』
「………ダメ」
「邪魔しないでくれるかな? 明神」とか言ってる会長の言葉を無視して、ひとまずわんこの言葉を聞いてみる。
『どした?』
「会長の膝に座るぐらいなら、俺の膝に座っててよ」
そう寂しそうに言ってきた有志の姿が本当に可愛らしくて、思わず。
『かんわいー!! ゆーしぃ!』
抱きっ!!
クラス中が(呆れの)ため息をついた瞬間だった。
◆◇
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