アンタとオレの関係
-03
「遼!!」
ん?あ!
『ゆーし!…………と?』
えぇっと、有志のペアなんだから…
『元陸上部の3年生!』
「お、知ってるんだね。永作衛です。こうやってお話しするのは初めましてだね、遼くん」
おー!爽やかっ!そして優しそう!
「ところで、前回会った時となんだか印象が違うのだけど?」
『ああ、動くから眼鏡外してるんです』
俺は体育の時も眼鏡を外す。外しても大して問題ないくらいの視力はあるし。
ましてや今回は真剣勝負だ。眼鏡なんてしてられない。
「ははっかなり意気込んでる?」
『もっちろん!今日は最後まで残る予定です』
「お、じゃあ一緒だね。俺らも賞品狙ってるんだ」
目をキラキラさせて永作先輩と話す俺の横ではこの交流会での俺の相棒とわんこがにらみ合っていた。
「てめぇ、手ェ出してねぇだろうな?」
「ハッお前にンなこと関係ないだろ?」
「もし手ェ出したら…」
「出したら?」
「てめぇのナニ、使いモンにならなくしてやるからな」
「上等だコラ」
『なぁなぁ、なんの話?』
「「なんでもない………」」
………?変なの!
「おい、天王院」
「……なんデスか」
プッ…あの夾が一応敬語使ってる!
「お前の従兄弟、よくも俺らになんの相談もなく【装置取付義務】を発令したもんだな」
あれれ……爽やか先輩がなんか黒いよ!ι
「……アレは俺の発案です」
「それなら尚更だ。実際に動くのは俺らなんだぞ」
ん?もしかして……
『永作先輩って風紀委員?』
「うん。ああ、そうか。遼くんはまだよく知らなくて当たり前だよね。俺、風紀委員長なんだ」
うわーお!随分優しそうな風紀委員長さんだなぁ……【風紀委員】のイメージってどっちかというと俺とキャラがかぶってる名倉先輩のイメージ………。
「ああ、そりゃ言えてるわ」
あれ?………俺、思わず考えてたことを口に出していたみたいです。
永作先輩にもお礼言われたし。
話は変わるけど、いい加減お尻が痛い。
なんせ、俺らが座ってるのは堅い木の根の上。
なんとか痛くならないものかともぞもぞやっていると、
「痛い?遼」
有志が手を広げていた。
『ぅん…』
「おいで?」
『や、駄目だよ。ゆーしも痛くなっちゃう』
「俺は平気」
ホラ、と今度は腕を引かれた。
落ち着いた先は、片足だけあぐらをかいた有志の足の上。後ろから抱き込まれ、頭の上に顎を乗せられる。
よくやってもらう体勢だ。
………子ドモ扱いな気がしなくもないんだけどね。
でも、お尻は痛くなくなった。
『ん、ありがとゆーし』
「どういたしまして」
◆◇
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