アンタとオレの関係 鬼ごっこ -01 お昼を食べ終わり、13:00にホテル前の広場へ。 そこで裕行会長からの開会宣言があった後、初音先輩がルール説明をした。 その後、鬼にはグレーのTシャツ、逃げる側には緑色のハチマキが配られた。 13:30。逃げる側のスタートだ。 俺は夾と合流し、さきほど見つけたポイントまで走った。 なんせ、鬼は10分後にスタートするのだ。 早く、隠れ場に行きたい。 やっと隠れ場に着いて時計を確認してみれば、既に鬼はスタートした後だった。 つまり、どんなに少なく見積もってもあと10分は誰も来ない。 俺と夾は顔を見合わせ、これから終了時間までをどうするか話し合った。 先は長い。 まるで耐久レースだ。 何分か経過したとき、不意に夾が口を開いた。 「お前、明神とは知り合いなんだよな?」 『ゆーしとは半年前から友達だし、今は同室者でクラスメートで席も隣だよ』 「………なんだ、その【どこでも一緒】状態は」 『ね、凄いでしょ』 「……明神の奴、しょっちゅうお前に会いに行ってたのか?」 『うん。それが原因で謹慎になったんでしょ?』 「ああ」 『なんで外出届けに許可出してやらなかったの?』 「この学園は基本的には外出禁止なんだよ。だが、家の仕事やなんかでどうしても必要な時だけ、外出届けを出せば受け付けるシステムだ」 『………じゃあ、逆になんで許可出したの?』 「あいつが出す外出届けの理由記入欄がいつも【家庭の事情】だったからな。そんなこと言われたら深く追求できないし、許可を出さないわけにもいかないだろ」 『あんのバカわんこ……外出ばっかって、ホームシックじゃないんだから』 「そう言ったさ」 『そしたらなんて?』 「……………なんだったかな?忘れた」 『うっそだー!』 「大した理由じゃなかったんだよ」 『ふーん?まぁいいや』 開始から2時間経つぐらいまでずっと、俺と夾はこんな具合で話していたが、そこに、不意に人の気配がした。 ◆◇ [戻る] |