アンタとオレの関係
生徒会からの告知 -01
学校に着いたら、なんか騒がしかった。
掲示板の前に人が集まってる。
テストはなかったし、特に行事も知らされてないし……なんだ?
俺たち5人は掲示板に向かって行った。
すると、あんなにたくさんいた人たちが俺たちのために道を開けてくれた。
……………………なんか、アレになった気分だ。アレ。モーセ。
だが、なぜか、中には怖がっている人までいる。
「ちょっと。明神さんが出てきたよ!」
「こわい〜! けどやっぱり格好いいよね!」
「あれ? 神崎くんと明神くんて仲あんまり良くないって聞いたけど?」
「ホントだ〜なんでお二人が一緒なんだろ?」
ひそひそと交わされる会話。
有志がやったことはさっき本人から一応聞いたけど、怖がられてんのなーやっぱり。
「「それにしても、佐倉くんと明神くん、神崎くんの3人が揃うと圧巻だよねー!!」」
……………蒼太と和巴ちゃんは?(←わかってないねキミ)
周りの喧噪を気にしているとキリがないので、さっきから気になっている掲示板に注意を向ける。
そこには、2年生の知らない5人の先輩の名前があり、その下に
[暴行のため、上記の五名を一ヶ月間の自宅謹慎に処す。
また、復学後は無期限で学園敷地内における装置取付義務を命ずる。
生徒会長 天王院 裕行]
と書いてあった。
『【装置取付義務】って何?』
「対象者が本来いるべき場所にいない場合に風紀委員に連絡がいくようにするための装置の取付義務だよ。因みに、風紀委員に連絡が行く際は、対象者の居場所もわかるようになってる。
この装置を取り付けた者は、授業をさぼれない上に、休み時間も教室以外のところには10分以上留まれない。さらに、放課後は、予め登録していた部屋にしかいられず、それ以外の場所にはやっぱり10分以上留まれないんだ」
ややこしいです、和巴さま。
「簡単に言うと、余計な機能搭載の発信機ってとこかな」
余計な機能って………ι
「生徒会もよく考えたもんだよな〜」
でもさ、それって……
『この人たちの自由がないじゃん』
「だって、暴行だよ?」
『うん、わかってるよ?』
でも、それをいうならある意味有志のだってそう見なされることあるじゃん。
『……人数の問題とか?』
うん。有志は自分の喧嘩に周りを巻き込んじゃっただけだしな。
「遼、いい? よく聞いて?」
なんでしょう?
「この人たちがやったのはね、ただの暴行じゃなくて、性的暴行なんだよ?」
…………あぁ、被害者は俺、か。
「理解、した?」
『なんとなく?』
あれれ、ため息つかれちゃった。
◆◇
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