アンタとオレの関係
猛獣の帰還 -01 SIDE?
3週間にわたる謹慎が解けて、久しぶりに学園に戻ってきた。
でも、別に嬉しいとは感じない。
ここに、あの人はイナイ。
謹慎処分の理由は、度重なる無断外出とそれを注意されたときに起こした暴行。
だが、非は向こうにもある。
俺が外出届けを出してもなかなか許可せず、俺が外出すれば【嫉妬】の2文字を露わにする、年下の方の天王院。
それがウザくて無断外出・外泊をすれば注意してくる。
度重なるソレについにブチ切れて、会計とタイマンはったのが3週間前。
決着が着く前に止められて(その過程で負傷者続出)、それをネタに学園が所有するホテルでの謹慎を言い渡された。
普通なら自宅謹慎だろうに、意味がわからない。いや、わかるけれども。
足がないおかげで、なかなか大好きな彼に会いに行けなかった。
だけど。こっちに戻ってきたからには、また会いにいける。
俺は、彼に会いにいくことだけはやめない。
これから会いに行くには少し時間が遅いので、今日は自室に帰ることにした。
3週間ぶりに足を踏み入れる自室に、違和感を覚えた。
誰か…………いる?
警戒しながら、もう片方の個室を覗いてみた。
「ハァ…や、やだぁ………ハ…ァ」
苦しそうな声。
でも、行為をしている様子はない。
それよりも…この声、似てる。
もう一度苦しげな声が聞こえたとき、俺はベッドに近づいた。
カーテンを通した月明かりで見たその顔は、明日にでも学園を抜け出して会いにいこうとしていた人で。
だけど、会えて嬉しいとか、なんでここにいるのかとか考える前に、俺は眉間に皺を寄せた。
魘されてる?
しかも、魘され方が尋常じゃない。
まさか……襲われた…?
俺は、悪夢から解放すべく、目の前の愛しい人を起こすことにした。
◆◇
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