アンタとオレの関係
懐かしい匂い
大騒ぎをしながらリビングに戻ってきた3人は、俺が用意したアイスティーを一気に飲み干した。
騒いだら喉が渇いたらしい。
………アホだ。
その後、睡魔に負けて船を漕ぎ始めた俺をベッドに押し込んでから3人は帰っていった。
{反抗的な態度もいいね}
{すぐヨくしてあげるよ}
嫌だってば。
{何言ってんの。これからだよ、遼チャン}
もう触るなよ。
{アレアレ? ここどーしたの? 遼チャン?}
{んじゃ、ご開帳ー}
やめろよ! 離せ!!
{……おいおい、予想以上にカワイくねーか?}
{早く後ろほぐそうぜ}
{俺、もっといじるー}
{4カ所同時攻めー}
いやだっ!!!!!
映像と感触は、突如としてそこで途切れた。
今までの、吐き気を催すような感触の代わりに、暖かくて優しい、大きな手が頭を撫でている。
夢だった、とわかった途端、少し、ほんの少しほっとした。
…………この手は誰だろうか。
なんだか、懐かしいカンジ。
「―て。………遼」
自分の名前を呼ぶ声が聞こえたと同時に、懐かしい匂いがした。
「………―う。起きてよ、遼」
今度は、はっきりと聞こえた。
目を開けてみると、暗い部屋の中、自分に大きな影が覆い被さっているのがわかる。
だけど、何も怖くない。
この声を
この匂いを
俺は、知っているから。
甘えるように手を伸ばすと、その大きな影は近づいてきてくれた。
知っている体温に安堵して、俺は目を閉じた。
◆◇
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!