アンタとオレの関係
-02
服を脱いだ蒼太はやっぱり華奢で。
同じ男なのに、違うなと思った。
「遼くん」
『ん?』
「触られた感触は、いくら擦っても消えないよ?」
そうか。蒼太も今の俺と同じ心境だったことがあるんだな。
深刻そうな顔で、俺を見ていた蒼太だったが、俺が『わかった。もうしない』と言うと、安心したような顔になった。
かと思いきや、
「すごーい! 遼くんて意外と筋肉あるんだねー」
と目をキラキラさせて俺の腕や腹、脚を触ってきた。
『ちょ、蒼太。くすぐったい。』
「脚なんか特にすごくない?」
『触んなってば』
「えー、いーじゃんかー。減るもんじゃなし」
『お前はどこのエロオヤジだι』
あんまりにもベタベタ触ってくる蒼太に辟易した俺は、蒼太を置いて先に風呂を出た。
リビングに戻ってみると、和巴ちゃんと健ちゃんがまだ格闘ゲームをしていた。
格闘ゲームは健ちゃんの方が上手い。和巴ちゃんはどちらかというと、パズルやRPGを得意とする。
だから、今も健ちゃんの方がレベルを下げてやっているのだが…。
やっぱり健ちゃんの方が勝つ回数が多い。
目の前で決着がついて、和巴ちゃんは「ちぇー」と拗ねていた。
「おう、出てきたか」
『うん。なんか飲む?』
「頼むわ」
「あ、僕もー! ってアレ? 蒼太は?」
『もう次期出てくるんじゃないかな?』
「「……………何処から?」」
『どこって………風呂場からに決まってんじゃん』
「…………一緒に入ったの?」
『一緒に入ったっていうか、アイツが勝手に入ってきたっていうか……』
と俺が言い切らないうちに、「「そ〜う〜た〜?」」と地を這うような声を出した2人は風呂場へ直行。
直後、「ぎに゛ゃ――――っ!!」「「天誅!!」」という騒ぎが聞こえなくもなかったが、事情がよくわからないのでスルー。
3人が帰ってくるまでの間に、俺は4人分のアイスティーを用意した。
◆◇
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