アンタとオレの関係
-02 (SIDE 蒼太)
和巴ちゃんからの電話で、僕が意識を失ってから遼くんの身に降りかかった事を知った。
その内容に、知らず、拳を握りしめる。
僕のせいだ。
そう思ったけど、自己嫌悪に陥るよりも、今は遼くんのところに行くのが先。
きっと、一人ぼっちの部屋で彼は、どうにもできない感情に悩まされている。
彼の部屋のチャイムを鳴らす。
すぐに中から物音がして、遼くんが出てきた。
が、僕の顔を見るなり、彼は目を丸くした。
他の人が来ると思っていたのかな。
かと思ったら、僕の肩をすごい勢いで掴んできて
「蒼太!! お前、大丈夫なのか!?」
と言った。
こんな時まで、遼くんは僕の心配をしてくれるんだね。
なんだか、その優しさに僕が泣きたくなってきた。
『上がっても、いい?』
「もちろん。上がって上がってー」
無理してまで、普段通りになんてしなくていいのに。
遼くんの部屋に上がった僕は、さりげなく彼のルームメイトの不在を確認した。
今いられても困るんだよね。
遼くんが出してくれたお茶を飲みながら、どう話を切り出そうか考える。
ところが、遼くんの方から話題を振ってきた。
「蒼太、お前、怪我とかは?」
『ん、なんもないよ』
「何もされてない?」
『僕は眠らされていただけだよ。寝ている間のことは何もわからないけど、起きたときに異変はなかったし、第一誰もいなかったし』
心配してくれてありがとう、と伝えると、やっと遼くんは笑ってくれた。
……………そうじゃないでしょう。
僕のことよりも、今は遼くんの方が傷ついているはずでしょう。
僕は、ごく自然な動きで遼くんを抱きしめた。
◆◇
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