アンタとオレの関係
危機一髪
和巴と遼の親衛隊4人と共に、生徒会室に向かって走る。
遼を連れ去ったのが生徒会以外の奴らで、それから遼と生徒会の誰かが接触したのだとしても、あまりに時間が経っている。
下手すると、もう手遅れかもしれない。
だけど、急げば急いだ分だけ、状況の悪化は避けられるだろう。
速く、早く、もっと速く……
目の前には一直線に延びた廊下。
ここまで来れたのは、生徒会の補助にさせられている和巴のおかげだったりする。
一部の人間にしか許されないカードを持っていなければ入れない廊下。
一般生徒は、生徒会からの許可がなければ入れない場所なのだ。
そして、その突き当たりにあるのが生徒会室。
生徒会室のドアを、俺と和巴は体当たりするような勢いで開けた。
扉を開けて目にしたもの。
あの会計と、その腕の中にいる……遼。
会計は不自然なまでに顔を遼に近づけている。
その右手は遼の顎に。
左手は離さないとばかりに遼の腰に回っている。
そんなことをされている遼は、一応抵抗はしたようだ。
手が拒否するかのように、不自然に挙がっている。
だが、顔を少しだけ赤くし、目は潤んで……まるで情事の後みたいだ。
怒りがこみ上げた。
だが、それは俺だけじゃなかったらしい。
「なにをなさっているのか、ご説明願えませんか? 天王院先輩」
和巴の、普段からは考えられないような低い声。
当たり前だが……………怒っている。
会計さまはハッとしたように遼の顎から手を放し、だが、遼の腰から手をどかすそぶりは見えない。
………………何故か、そのことに苛立ちを感じた。
◆◇
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