アンタとオレの関係
逃げたい→逃げられない!?
えー、ただいまの俺の状況を一言で表しますと……ピンチです。
「で? なんで閉めたんだ?」
『えと…驚いたから?』
「なぜ?」
『…………アンタがいたからだよ! ってか会長さんは!?』
コイツと2人きりになるくらいなら、あんな変態でもいないよりはマシ……な気がするよ!
「裕行は外出中だ。ってかちょっとマテ。なんで俺がいると驚くんだよ? さっき会ったからいるのは知ってただろ?」
思わず目線が泳ぐ。
『えー……っとぉ…』
ちょ! 腕を掴むな。逃げられないじゃないか! (←その防止のためだってば)
「俺の目を見ろ、遼」
口説いてんのかコノヤロー? (←ある意味正解)
逃げ口上が見つからない。
ついでに夾の顔も見られない。
意味をなさない音声を発してばかりの俺に痺れを切らしたらしいコイツは、俺の顎を掴んで持ち上げ、無理矢理目を合わせてきた。
互いの目が合う。
一瞬、夾が目を見開いた………ように思う。
そのまま、やつの顔が近づいてきた。
…………って、ちょっ!!!
近いちかいチカイ!
なんでそんなに顔を寄せてくるんですか!?
自分が美形だからって拒否されないと思ってンだろテメェ!
それにこの腰に回っている手は何ですか!?
ってかホントに顔がちーかーいー!!
ホント何する気だよコイツっ!!
慌てて相手を押し退けようと手を挙げたところで、生徒会室のドアが派手な音を立てて開いた。
◆◇
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