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アンタとオレの関係
SIDE 健

見た目と中身のギャップが激しい転入生、遼。

しっかりしてそうで、しかしその言葉の端々から、こいつがいわゆる【平和】な頭の奴であることを感じた俺は、何故だか保護者のような気分になった。


それはおそらく、和巴も同じなのだろう。

和巴とのつき合いはだいぶ長くなるが、こいつが幼なじみの蒼太以外で、いかにも面倒くさいことに巻き込まれそうな奴の近くにいる姿を見るのは、これが初めてだ。


とにかく、遼の周りはうるさくなりそうだ。


特に、今は不在の俺の隣の席の男。

あいつが遼を見たら、すぐにでも食おうとすんのは目に見えている。

奴の存在を遼から遠ざけたくて、不思議そうな顔をした遼が「俺の後ろの席の奴はー?」って聞いてきたときも、今はいないということ以外、多くは教えなかった。


奴は今、謹慎している。だが、そう遠くないうちに出てくる。

その時に、奴の毒牙からどうやって遼を守ろうか。

……和巴と話しておく必要があるな。


蒼太も俺と和巴の保護対象だが、遼はそれ以上の保護対象になりそうだ。


そんなことを考えていたら、和巴と蒼太の会話が耳に入ってきた。


「ちょっと、あの子なんだか大変そう」

「うん、どうしていいかわからないって顔してるね」


………は?

【大変そう】? 【どうしていいかわからない】?


なんのことだと思い、遼の方を見てみれば、黒い人だかり。

何やら危ない単語も聞こえてくる。

あーもう! この学校の奴らはすぐコレだ。


『ってか編入生相手に過激すぎんだろ、質問内容が。……あーイライラしてきた! 遼ー、次移動教室だぞー』


俺が声をかけると、遼はほっとしたような顔をした。

あぁ、やっぱり不安だったんだな。

それでもちゃんと、周りの奴らに何やら告げてからこちらに来るあたり、律儀な奴なのだろう。


………嬉しそうにこちらに寄ってくる姿が犬っぽくてかわいかったのは、本人には言わないでおこう。


遼の頭を軽く撫でてやりながら、俺は密かに遼に癒されたのだった。



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あきゅろす。
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