アンタとオレの関係
まだまだ騒ぎは収まらない
和巴ちゃんの親衛隊員の皆さまのおかげで、多少は騒ぎは収まりました。とはならず。
和巴ちゃんと春一先輩双方の親衛隊員以外の生徒たちにも騒々しさが伝染し。
とてもじゃないけれど始業式って感じじゃない。
そんな中、裕行会長をはじめとした生徒会員が壇上に立ったことで、さらに騒ぎはヒートアップ。
なんかもう、帰りたひ……
だけれど、裕行会長が開会宣言をしたところで皆さん静かになりました。
普通なら、校長先生からの挨拶とか会長からの挨拶とか各委員会からのお知らせだったりとかのやるべきことを全てやって、みんながぐだぐだになってきたあたりで閉会するものだと思うんだけれど。
最後の最後で春一先輩がマイクを握った。
春一先輩が何を言うんだろうと、全校生徒の間に緊張が走ったのを感じた。
そんな中で。
「俺は、1年A組の春山和巴ちゃんと、この夏休み中からお付き合いしています。俺の親衛隊員たちはみんな知っていると思うけれど、俺はカワイイ子大好き!なわけで、和巴ちゃんはそういった意味でもドストライクなのね。」
オイ。
春一先輩。
和巴ちゃんがカワイイってだけで付き合ったんですかアンタ!!
だけれど、春一先輩の言葉は続いた。
「カワイイ子ってだけなら、この学園内にはたくさんいるし、実際に今まではいろんなカワイイ子たちとお付き合いしてきたけれど、和巴ちゃんはカワイイだけじゃないんだよね。
和巴ちゃんは、俺の趣味でもある工学大好きだし、年上の俺から見ても頭良いし、友達をすごく大事にしているし、カワイイのに性格は男前だし、カワイイのにそのことを鼻に掛けないし、親衛隊もしっかりしてるし、でもやっぱりカワイイし、俺からみて欠点なんて見つからないんだよね。」
ん?あれ?
ノロケ大会が始まったのかな?
「ごはん食べる時だって小動物みたいでカワイイし、でも意外と大食いでたくさん食べるし、それでたまに体形気にしてランニング行っちゃうぐらいマジメだし、っていうか抱き心地考えたらそもそもそんなに体形気にしなくて良いのになぁなんて思うし、それに」「小西先輩!!!」
全員が壇上でノロケまくる春一先輩を唖然として見ていたなかで突然の叫び声。
見れば、顔を真っ赤にした和巴ちゃんが。
か、カワイイ!!!
「も、やめてください!
何ですかこれ!公衆の面前で恥ずかしくないの!?
バカ春一!!!」
憤る和巴ちゃんを見て、春一先輩はデレーっとした表情になり。
「ね?カワイイっしょ?俺のカレシvv
でも誰にもあげないから
ちなみに捕まえたのは俺だから。
あと、和巴ちゃんに嫌がらせしたり意地悪した場合は、俺が全力でやり返しに行くから、そのつもりで」
と宣った。
やべえ、春一先輩が出会ってからこっち初めて超真面目なこと言ってる。
恋愛ってここまで人を変えるんだね。
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