アンタとオレの関係
先のばしにはできない
悠にぃにとっては相当の衝撃だったらしい。
あれから、どういう告白だったのかとか、返事はしたのかとか、それこそ根ほり葉ほり聞かれた。
俺はげっそり。悠にぃもぐったり。
2人して疲れてしまった。
「で、遼はこともあろうに返事をまだしていないと」
『うん』
「しろよ、返事」
『だってわかんないもん』
「……あのな、遼。今までに好きになった子はいないのか？」
『んー、いる、かな。一応』
「一応って何、一応って」
『いや、俺だって、あの子かわいいなーとか好きだなーとか思ったことはあるよ？
でもさ、夾を見てると、俺が思っていた気持って、そんなに大きくなかった気がして』
そう言うと、悠にぃは目に見えて落ち込んだ。
「お前ね、そこまで分かっていながら、返事してないと？」
『だってわかんないんだもん』
「じゃあ、夾くんの気持ちは？」
『夾の気持ち………？』
「鈍感なお前から見ても大きな気持ちを抱えてる夾くんは、ずっとお前の返事を待ってるんだろ？
その待っている間の夾くんの気持ちは？」
そう言われて、呆然としてしまった。
『………夾の気持ち』
「そう、夾くんの気持ち」
分かったつもりになってた夾の気持ちを、ひょっとしたら俺は全然分かっていなかったんじゃないだろうか。
待っててくれるという夾の言葉に甘えるばかりで、その後の夾の気持ちまでは頭が回ってなかった。
自分の気持ちばっかり考えていて、結局夾のことなんて考えてない。
それは、ひどく自己中心的なことではないだろうか。
俺、夾のこともっと考えなきゃ。
『悠にぃ……』
「なに？」
『どうしよう、俺……』
「うん。まあ、そこに気付けたんなら後はじっくり考えなね。」
ちなみに俺はかわいい弟を野郎にくれてやる気はないけど、とらしくない少々乱暴な言葉とともに、悠にぃは俺の頭をわしわしと撫でてから出て行った。
本当に俺、どうすればいいんだろう。
◆◇
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