アンタとオレの関係
ブラックアウト寸前
ありえないぐらい機嫌が悪そうな校内放送に呼び出された俺は、生徒会室に赴いている。
例の、関係者以外立ち入れない通路の前でインターホンを押すと、すぐに裕行会長の声で返事が返ってきた。
《はい》
『佐倉です』
《あ! 今開けるから》
カチャッ
《どうぞー》
鍵も遠隔操作デスか。
……どこの高級マンションだよι
通路に入り、ドアを閉めると、また音がして再び鍵がかかったことを教える。
オートロックは寮の部屋も同じだから、今更驚かないもんね。
前回通った時は、よくよく観察する暇のなかった通路は、意外に長い。
物がないから、目の錯覚で余計に長く見えるのかもしれないが、それにしたって長い。
不必要だろ、こんなモン。
そんなことを考えているうちに生徒会室の重厚なドアの前に到着。
このドアを開かずに回れ右して帰りたい。
だって、なんで呼び出されたのかよくわからないし。(←鈍感)
そう思っていたら、目の前のドアが開いた。
そこにいたのは、何やらドス黒い空気を纏った魔王。
そいつはこちらに歩み寄りながら後ろ手でドアを閉めた。
その空気に押されて一歩後ずさる俺。
情けないとか言ってられない。
それなのに。
次の瞬間、俺はそいつに抱きすくめられていた。ついでに言えば、息ができていない。
『ぐぇっ……』
カチャッ
「夾? どうし………って、ぁああああ?!」
「うっせーな裕行。少しは黙っとけよ」
「だだだだって……! 遼ちゃんが!?」
「あ?」
「ぐったりしてる…!」
「! 遼! 大丈夫か!?」
『ム、リ………』
Majiでブラックアウトする5秒前……みたいな?(懐メロ中の懐メロだね、遼ちゃん)
有志といいコイツといい、バカ力なんだよなぁ………。
◆◇
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