アンタとオレの関係 -02 『遼の体、キスマークだらけだね』 そう問いかければ、遼は不思議そうな顔をする。 「? お前がつけたんだろ?」 ちがう………違うよ? 『違う………俺のじゃない』 この印は、天王院夾のものでしょう? なんだかたまらなくなって、そして悲しくなった。 切なく、なった。 『こんなにいっぱい………あの会計にさせたの?』 そう言いながら再び所有印を刻む。 そして、一番気になっていることを聞いた。 『アイツに………どこまで許したの?』 その途端、遼は目を反らした。 なんだか、もの凄く嫌な予感。 『遼…答えて』 何を、したの………? 「っ! おこ、らない?」 怒らないとは思うけど、嫉妬はかなりすると思う。 それに、その言葉の意味するところは俺にとって良いことではないよね? 『俺が怒るようなこと、したの?』 「え、と……いた!」 気づいたら、また、色濃い所有印を残していた。 遼……りょう………… 俺はあなたを傷つけたいわけじゃない。 痛い思いをさせたいわけじゃない。 怖がらせたいわけじゃない。 ただ、その瞳に俺を映してほしい。 ……俺以外を見ないでほしい。 笑ってほしい。 ……泣き顔、それも快楽の泣き顔は、俺の腕の中だけにしてほしい。 俺はあなただけを見ている。 あなただけを欲している。 あなた以外は………見えない。 それなのに。 「有志以外の人とはやっちゃだめってこと………した」 俺【だけ】が許されていたはずの行為が、そうじゃなくなってしまった。 なんでしたの? なんて責めることはしたくない。 否、できない。 恋人ではない俺には、遼を束縛する権利なんて、本当はないのだから。 ただただあるのは、悲しみ。 胸が苦しくなって、でも涙は出ないような虚無。 もし。 もし、遼が他の誰かに奪われてしまったら、俺はおかしくなってしまうかもしれない。 今、この状況ですら、こんななのだから。 ◆◇ [戻る] |