アンタとオレの関係
説明 -01
9:00。ホテル前。
「それではこれから移動する。移動時間は40分ほどだ。これから行うイベントについては、バス内で配布されるプリントを見ておくように」
会長はそれだけ言って、あとは説明する気がないらしい。
なんともいい加減だ。
バスにて。
『今回のゲームって?』
「遊園地内での宝探し、みたいな感じかな。遊園地まるごと貸し切りになっているんだ」
貸し切りだって?!
『すげっ。………でも、遊園地内で宝探し? 乗り物には乗らないの?』
「遊園地を楽しみながらの宝探し。って言っても、ポイント探しなんだけどな」
『ふーん? で、ポイント集めてどうするの?』
「生徒会に、何かしら1つだけ願いを叶えてもらえる」
生徒会に叶えてもらえる願い事…………。
『………授業免除にしてください、とか?』
「それはお前を含む少数派の願いだな」
『みんなは何をお願いするの?』
俺がそう問うと、夾の顔が近寄ってきた。
いやいやいやいや。
『近寄るなよ』
「こうしないと話せない内容なんだ。我慢しろ」
どんな内容だよ!!
「大抵の願い事はな、生徒会の誰かと付き合いたいとかだ。それが駄目なら抱かれたいやら抱きたいやら」
『……………………マジですか?』
「マジだ」
なんかもーアレするに限るよ、アレ。スルー。
そして話し続ける夾。
「で、話を元に戻すとな、やっぱり遊園地に最初に入った方が有利だろ?」
『そりゃね』
「そこで出てくるのが、昨日の肝試しのときのカードだ」
『レベル……10?』
「ああ。数値の高いカードを持つペアから園内に入れるそうだ」
本来なら『夾よくやった! サイコー!!』って言うべきなんだろうケド。
なんだか言いたくない。
「あと、このゲーム、是が非でも上位を狙うぞ」
『………なんでよ。俺、生徒会に頼むことなんてない』
そう言うと、「わかってないな」なんて言われた。
「さっき言った例の対象は何も生徒会役員だけじゃない。つまり、お前も対象になりうる」
………うーん?
◆◇
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