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アンタとオレの関係
朝ごはんと不在のわんこ

回収作業を終えた後の朝ごはんは格別だった。


「遼……まだ食べるのか?」

『んぐっ』

食べてる最中に急に話しかけられて、気管に入りそうになった。


「Σ大丈夫か?!」

『ゴキュ。ん、大丈夫。それより夾はもう食べないの?』

「俺、朝はあんまり食べないから」


なんとまぁ不健康な。

『せっかくのバイキングなのに?』

「ああ」

『朝から歩いたのに?』

「ああ」


ふーん。それでよくもまぁそれだけ大きくなれたな。



………ちったぁその身長分けやがれ。




『あ』

「ん?」

『杏仁豆腐取り忘れた!!』

「…………………」


慌てて席を立とうとした俺の前に杏仁豆腐が置かれた。


『健ちゃん!』


くれたのは眠そうな健ちゃん。

「お前、朝から元気だな」

『だって朝っぱらから散歩という名の恐怖体験してきたもん』


「ああそう」と、さして興味なさそうな返事をする健ちゃん。

はい、朝ごはんは偶然一緒になった健ちゃんペアと4人でとっています。


夾に対してはまだちょっと距離を置きたい感じだけど、でも朝よりはマシになったかな。


ってか、俺はあんなに真剣に告白されてしまって、なんて返せば良いのでしょうか。


…………………あんなことシてしまったしι



あれ? そういえば俺のわんこはどうしたんだろ?


そう思って周りを見渡したが、あの目立つ長身はいなかった。

朝の回収作業の時はいたのに……。
そう言えば、あのときも挨拶しかしてないな。


珍しいこともあるもんだ。


そんなことを考えながら、俺は杏仁豆腐をかき込んだ。



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あきゅろす。
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