アンタとオレの関係
どうしても ※
「…――で、―――いの?」
下を向いたままの遼が、何事か呟く。
『ん? なに? よく聞こえない。もう一回言って?』
「なん、で………夾は、そゆこと………したい、の?」
あー、答えにくい質問だなこりゃ。
今はまだ勝算がない。だから、想いを伝えても無意味だろう。
いや……………無意味か?
むしろ俺の気持ちを知ってもらう、絶好のチャンスなんじゃないだろうか。
きっと、そうだ。
『遼』
遼は俺の呼び掛けに目をこちらに向ける。
俺はその顔を真正面から見て、真剣な顔をして話し出す。
『俺な、お前のことが好きなんだ』
「俺だって……好き、だよ?」
最初は怖かったけど、と付け足される。
……嬉しいこと言ってくれるじゃねーか。
でも、意味が違うんだよな。
『お前が俺を好きってのは、まぁ言ってみれば【友達】としての【好き】だろう?』
遼は不思議そうな顔をして頷く。
『俺のお前に対する【好き】はそうじゃない。【恋愛感情】としての【好き】なんだ』
俺は、遼の目を見つめ続ける。
『この意味、わかるか?』
遼は、肯定も否定もしない。
『俺はお前を大切にしたいし、甘やかしたいし、独占したい。抱きしめたり、キスしたりもしたい。それに……抱きたい』
遼の目が驚きに見開かれる。
「抱き………たい?」
『ああ。だから今、こんなことしてる』
そう言って、顔を近づけ、その額にキスしてやる。
遼はだいぶ混乱しているようだ。
「夾………俺、おと、こ」
『性別なんてカンケーないよ』
好きになっちまったもんは好きなんだ。
『気持ちの整理がまだついていないだろうから、返事は考えてからしてくれ』
頭を優しく撫でながら続ける。
『だけど、今だけ。コレ鎮めるのは手伝ってほしい』
コレ、と遼の足に分身を押しつければ、遼の顔は真っ赤になる。
『遼、お願い………』
「………わかった」
真っ赤な顔をした遼が頷いてくれた。
『ひゃあ!…………ん……や、あ!』
「りょう……りょう。大好きだ……」
肌と肌がぶつかる音。
遼の足と俺の性器が出す湿った音。
遼の喘ぎ声。
俺の譫言みたいな囁き声。
温度と湿度が上がったかのような部屋に、それらが響く。
まるで本当のセックスをしてるみたいな、そんな空気。
俺は後ろから遼の腰を掴んで、思いっきり腰を動かした。
それに遼の背中にたくさん、行為の痕を残した。
遼の白い背中に咲いた薄紅色の花々は、綺麗だった。
その行為の後、遼はすぐに眠ってしまったので、俺は遼を抱えて風呂場に行き、自分の身体と一緒に遼の身体も清めてやってから眠りについたのだった。
◆◇
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