アンタとオレの関係
なんか変だ -01
夾を風呂場に残して先にベッドルームへ。
とりあえずはドライヤー。
髪を乾かしながら考える。
夾のあの状態をなんとかするためには、やはり出さないといけない。
普通なら恋人でもない奴になんて見せずに一人でやるものだろう。
だけど、夾のあの行動。
似ているのだ、有志が取る行動に。
有志が俺とあの行為(*第一章・猛獣=わんこ-02 参照)をしたがる時も、あんな雰囲気になる。
俺と有志は友達。だけど、あの行為はする。
これで俺がオンナノコだったら最後までするんだろうけど、生憎と俺は男なわけで。
だから、あの行為は溜めずに出すために必要な行為。
俺にとっても、有志にとっても。
でも、ちょっと疑問もあったりする。
夾にしても有志にしても、2人とも顔がいいんだから、定期的に外に出て彼女を作ることなんて造作ないんじゃないか、と思うのだ。
まぁ、この学園では男を相手にそれをするって選択肢もあるけれど。
でも有志は俺とあの行為をするときに、男同士でセックスするときに使う器官をどうこうするってことはなかった。
……………いや、あったか。一度だけ。
有志とあの行為をするようになってすぐの頃だったと思う。
一度だけ触られたのだ、その箇所を。
あの時は驚きと汚いっていう拒否感と恥ずかしさで、すぐにやめるように言い、有志もそれ以降は触ってこなくなったけど。
今考えると、あの時の有志は俺とセックスしようとしてた?
…………………いやいや、考えすぎだろう、俺。
有志は俺の親友。だからこそ、他の人相手だったら恥ずかしくてできないこともしてしまえる。
じゃあ、夾は……?
夾とはやっと友達になったとは思うが、まだ親友ではない。
でも。
それでも。
夾が俺とあの行為をしたいと思っているらしいことはほぼ確実で。
……………なんだかワケがわからなくなってきた。
そんな時に限って、後ろから抱きつかれるし。
「りょう………」
掠れた声。もうそろそろ出したいんかな?
『……ん?』
「シたい……サせて……」
『その前に。髪、乾かせ』
「そんなんいいから……」
首に顔埋めてる夾。……………意外と甘えたなんだな…。
『だーめだって。ホラ、全体に風通すだけでいーから』
そう言って夾にドライヤーを押しつけようとしたが受け取る気配はない。
むしろ、奴の手は俺のバスローブの合わせを開こうと動いている。
『夾っ!』
咎めるように呼べば、切なそうな瞳と目が合った。
「遼………シたい…」
『出したい?』
「ああ」
なら、しょうがない。
俺はため息をついてドライヤーのコンセントを抜いた。
そして、有志にもやるように軽く両手を広げる。
『いーよ?』
そう言った途端、押し倒された。
◆◇
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