アンタとオレの関係
-07 (SIDE KYO)
カードを取り、遼のところまで戻った俺は、カードに書かれた文字を読み上げた。
『【肝試しクリア券……レベル4】?』
は?なんだ【レベル4】って。
俺は急いで頭を巡らせる。そして、一つの答えに辿り着いた。
明日の、俺と裕行担当のイベントに使うんだな。きっと。
そう言えば譲が言っていた。
「どっかで…明日のイベントの……順番、決める方法を…考えなきゃ、ね?」
まさかここでくるとは予想してなかったわけで。
ならばここはきちんと数字の大きいものを探してくるべきだろう。
『ちょっと待ってろ遼。他のレベルがあるか見てくる』
そう言って再び懐中電灯を持って祠に向かおうとしたんだが……
「夾っ!暗いのヤダっ」
切羽詰まったような遼の声。
マジ、怖がりなんだな。
『ハァ〜ιしょうがねェな。ほれ、持ってろ』
そう言って懐中電灯を遼に渡し、自分は携帯電話をライトモードにした。
…………懐中電灯よりは暗いが、この明るさなら文字は見える。
その状態で人形を避けて祠の中を覗いた。
中には重なるように置かれているカードが9枚あった。
その1枚1枚をひっくり返してレベルを確認していく。
カードはより上にあるものが若い数字、一番下にあるものが大きい数字になっている。
俺は一番下のカードを抜き取り、数字を確認してから残りを元に戻し、遼のところへと戻った。
『レベル10まであった。ちゃんと取ってきたぜ、遼』
遼は俺を凝視していたが、俺がだいぶ近づくと飛びついてきた。
「夾っ!おかえり゛ー!!」
………………?
『…どうした?』
「あ…アイツ!ずっとこっち見てんだもん!」
【アイツ】?そう思って遼が見ている方向に目をやると、いまだ逆さ吊りのままの人形。
ってそんなに怖いならさ…
『……見なきゃいいじゃん』
その選択肢はなかったのだろうか?
『そしたら夾の方も見られないじゃん!』
っ!遼……お前…………あんま可愛いことばっか言ってると喰うぞ。
◆◇
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