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恋愛小説
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第2話 別れの言葉

カチャっ!「もしもし。悠太だけど…。」「ゆぅちゃんか。いきなり電話なんて、どうしたの?なんか暗いよ!」2人にとって最後の電話だった。「実はさ、俺…。引っ越すことになっちゃったんだ。」 「えっ?!引っ越しちゃうの!?ゆぅちゃんとはもう会えないの?」 「そんなことない!またきっと戻ってきて、会えるさ!だから、さよならは言わないよ…。」 「そんな…。ゆぅちゃんがいなくなっちゃうなんて…。」 「父さんの仕事の都合だから、仕方ないんだ。あともうひとつ、言いたい事があって…。俺、梨奈のこと…」 「なに?よく聞こえなかったよ!」 「あっ、良いんだ。続きは、いつかまた会った時にするよ。じゃ、元気でな!」 「うん!またね。ゆぅちゃんも元気でいてね。」プップッー!電話は、わずか2分足らずで終わってしまった。梨奈は、最後に悠太が言い掛けた言葉が気になってしょうがなかった。「なんで言えなかったんだ!好きの一言も…!俺はなんてヤツだ!!」悠太はものすごく後悔していた。
翌朝…。朝早くの街は、静まり返っていた。生暖かい風が悠太を見送っているようだった。さすがにまだ暗い。すぐ輸送業者のトラックに荷物を積み、悠太たちも出発の準備して車に乗り込んだ。本当にこれでいいのか?そう思った悠太も今、会ったら別れが余計に寂しくなるのが分かっていた。「元気でね。」という梨奈の言葉が悠太の頭のなかをこだまする。ブルンッ!!悠太はその日、楽しかった思い出の街から姿を消した。

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あきゅろす。
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